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奈良日日新聞/2018/5/18 18:05
http://www.naranichi.co.jp/20180518is514.html

アルコール依存症/愛すればこそ距離を

 「人生の半分損してる」。酒を飲めない、もしくは飲まない人に出会うと、酒好きならばついつい発してしまうフレーズ。「勤労は日々を豊かにし、酒は日曜日を幸福にする」(シャルル・ボードレール)、「酒と女と歌を愛さぬ者は一生あほうで過ごすのだ」(マルティン・ルター)、「世の中の問題は、みんな飲み足りていないことだ」(ハンフリー・ボガード)など、世界の偉人たちにも酒好きは多い。
 私自身、いわゆるまちの酒屋さんの長男として生まれ、幼い頃から酒は身近な存在。酒での失敗は数え切れないほどあるが、今もほぼ毎日晩酌し、休日の前の日は飲み過ぎることも多い。母親と姉はたしなむ程度だが、父親は無類の大酒飲みで、仕事を引退してからは朝から晩まで飲み続けている。あまり大きな声では言えないが、昔は飲酒運転も日常茶飯事だった。中学生の頃、父親が飲酒運転で帰ってきて店のシャッターに突っ込み、普段は穏やかでおとなしい母親が「離婚やー」と大声で叫んだ姿は、今でも鮮明に覚えている。
 この事件後、さすがに反省した父親は飲酒運転をやめることを誓い、両親は離婚せずに済んだが、一歩間違えれば家庭崩壊に発展。それどころか、もし人をはねていればその人の人生を奪い、自分の人生も台無しにするところだった。酒はストレスの緩和や食欲増進、何より人と人との距離を一瞬で縮める魔法のような効能を持つ。ただ、付き合い方を間違えると、身体と精神を滅ぼして大切なものを奪い、さらには他人にも迷惑をかける恐ろしい存在へと変貌する。
 今回取材したアルコール依存症の男性2人は、寂しさや後悔、仕事のストレスのはけ口が酒だった。話を聞いていて感じた2人の共通点は自尊心の欠如。自己否定から酒に依存し、溺れてしまったように思う。すべてさらけ出し、駄目な自分に向き合うことができていれば、ここまでボロボロになる前にブレーキを掛けれたはずだ。
 依存症回復支援施設「セレニティパークジャパン奈良」の三宅代表は「まずは自分が依存症だという事実を認めることから始まる」と話す。ただ、「依存症だからといってすべてを否定する必要はない。また周囲の人たちも、審判的な発言はしないよう心掛けることが大切」と強調。自分の弱さを受け入れるには、共感してくれる仲間など、受け止めてくれる存在が必要だという。
 自殺寸前で踏みとどまった男性は、最初は施設の人たちとなじめず、「仲間」という言葉を使うのも嫌だった。しかし、その仲間の言葉に救われ、平穏を取り戻した。今ではスタッフ見習いとして支援に回り、回復へのバトンを次につなごうとしている。
 三宅代表によると、最近急激に増加しているのが、インターネット依存症だという。時代の流れとともに依存症の形は変化するが、根底にあるのは「生きづらさ」だ。人もインターネットも酒も上手に付き合えば人生を豊かにする。愛すればこそ依存せず、一定の距離を取って付き合うことが重要だ。


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