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桐生タイムス/2018/3/13 16:05
http://kiryutimes.co.jp/editorial/14545/

仕事ぶりをゆがめるな

 政治学者の中島岳志さんは著書「保守と立憲」の中で柳田国男の仕事に触れながら、伝統や慣習について考察している。
 近代化が進む明治期に農務官僚となった柳田は、全国津々浦々の農村漁村を訪ねる中で、急速に失われゆく伝統や慣習を知り、それらを記録し、とどめることに意義を見いだす。
 「人を誤ったる速断に陥れないように、できる限り確実なる予備知識を、集めて保存しておく」ことに民俗学の目的があったのだと、中島さんは柳田作品を引用しながら解説している。
 伝統や慣習とは、先人たちが受け継ぐ中で磨き、今に伝えてきた集合的な知のエッセンス。それに倣えば誤りが少なく、将来への影響も小さくとどめられるはずだという、道を踏み外さないための知恵でもある。
 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、財務省は14の決裁文書に書き換えがあったことを認めた。財務省はこれまで決裁文書のコピーなどを示しながら、一連の手続きに問題はなかったのだと、国会を通じて国民に説明を繰り返してきた。
 一方、書き換え前の文書には、当時の財務省・佐川宣寿理財局長が国会答弁で否定してきた売却をめぐる学園との交渉記録や、学園理事長だった籠池泰典氏と関与のあった国会議員の名前などが含まれている。
 財務省の公務の正当性を裏付けるはずの公文書が書き換えられたものであって、オリジナルのものでないのであれば、これまでの審議はいったい何だったのかと、憤りを覚える。
 行政の役割は行政権を行使して公務を執行することだ。その公務が適正に行われたのかどうか、記録としての公文書を書き残すことで事後の検証が可能となる。今を生き、将来を生きる国民に対する正当性の担保だ。財務省による決裁文書の書き換えは国民への裏切りであり、官僚自身の自己否定につながる。
 公文書にも書式があるはず。一度は正しく書かれ、決裁された公文書を、誰が、いつ、どんな理由で書き換えたのか。書き換えを指示した者がいるのか。謎の解明はこれからだ。
 自殺者が発生している事態は重い。改めるという意識は大事だが、急速に事を成そうとすれば、どこかに無理が生じる。官僚の仕事ぶりには、先人から受け継いできた伝統や慣習があるはず。その役割が「政治主導」で失われることを懸念する。


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