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山陰中央新報/2018/2/13 12:05
http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1518485348314/index.html

経済成長と再分配/車の両輪と考えたい setConInfo('1518485348314',1518490800000);

 今の時代、かつてのような経済成長は望めず、成長政策よりも格差是正のための再分配政策に力を入れるべきだとの声を最近よく聞く。こうした主張は、経済成長と再分配を二者択一と考えている。豊かな国民生活を実現するためにはどちらも必要である。
 「脱成長論」が強まっている背景は、日本で1990年代から続いてきたデフレ下の長期低迷である。最近は緩やかな景気回復局面にあるとはいえ、この二十数年間の国内総生産(GDP)の平均成長率は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でほぼ最低だ。経済構造の転換により安定成長が可能な条件は失われたと主張されることが多い。
 その大きな根拠とされるのが、人口の減少だ。経済の実力を示す「潜在成長率」を決めるのは、資本、労働力、生産性の三つとされるから、確かに人口減は経済成長を抑制する要因になり得る。日本では15~64歳の生産年齢人口が98年から、総人口が2005年から減り始めた。
 しかし、世界には人口が減少しているにもかかわらず成長率が高い国は少なくない。
 生産性の伸び悩みが低成長の原因であり、それは活発な技術革新を支えていた経済・社会基盤が劣化したためだという説もある。だが、反対に低成長が投資の縮小などを通じて生産性の上昇を抑えている可能性がある。主要国の中で日本だけが生産性の壁に突き当たっているという説には説得力がない。
 適切な金融、財政政策と規制緩和などの構造改革により潜在成長率を高めることは十分に可能だと考えられる。低成長を日本経済の宿命のようにとらえる悲観論ではこの先の展望は開けない。
 これに対しては、そもそも経済成長は真の豊かさをもたらさず、平等化を目指す再分配政策の妨げとさえなる、という反論が想定される。
 確かに、経済成長だけを追求して不平等の是正や社会保障を軽視するなら、人々の幸福度がおしなべて高い平等な社会はつくれないだろう。しかし、他の条件が同じなら、経済全体のパイが大きい方がよいのは自明である。経済政策の自由度が高まり、再分配政策も実施しやすくなるはずだ。
 反対に、仮にゼロ成長の下で再分配政策を実行するなら、各人の所得が増えない中で、富める人からお金を取り貧しい人に与えるしかない。可処分所得が減る上位層の不満を招き、社会に対立と分断が広がるのは必至だ。成長がなければ、再分配政策そのものに逆風が強まるだろう。
 安倍政権の経済政策で再分配政策が弱いのは事実である。それを批判するなら、ある程度の経済成長と雇用の大幅改善という成果を評価した上で、再分配政策の強化を主張すべきではないだろうか。
 経済成長は財政再建のためにも不可欠である。緩やかなインフレの下で名目成長率を高めることにより税収を増やす必要があるからだ。増税と歳出削減だけで財政を立て直すことはできない。
 経済成長と再分配は、国民福祉を向上させるための車の両輪と考えるべきだ。かつての高度成長の再現はもはやかなわないが、経済成長自体の重要性は変わらないことを再確認したい。


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