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熊本日日/2018/2/13 10:05
https://kumanichi.com/column/syasetsu/344349/

県外避難/全容把握の仕組み構築を

 熊本地震で被災し、県外の公営住宅や借り上げ型みなし仮設住宅に身を寄せる人は、県によると、昨年末で523人に上る。入居先は25都府県273戸に及び、避難先の広がりが垣間見える。しかし、親戚宅やみなし仮設以外の賃貸住宅などに入った被災者は含まれず、全容は把握できていない。
 被災者支援で重要なポイントの一つは「漏れやむらをいかになくすか」であり、実行の決め手は「情報の把握」だ。ところが県外避難に対しては、「自己判断で地元を離れたのに支援するのか」と突き放し、中には「逃げ出した」と批判的な見方さえある。安易にレッテルを貼り、情報の把握や支援を滞らせてはいないだろうか。
 同様の課題は、県外避難に限らない。みなし仮設入居者に対しては当初「アパートや借家に住むのは特別なことではない」という見方が先行し、ほとんどが見守りの対象から外れていた。しかし実際には高齢や病気、障害などのため避難所生活が難しく、みなし仮設へ移らざるを得なかった人も多かった。地元から遠く離れ、周囲と孤立した人も少なくなかった。
 県内避難者のピークは本震翌日の18万3882人と公表されているが、これは指定避難所の集計分のみだ。車中泊や、指定外の公民館などに身を寄せたり、破損した自宅にとどまったりした人は含まれず全容は不明。支援物資が届かないケースも多発した。
 一方、県外避難者の把握をめぐっては過去の災害でも課題が指摘されてきた。阪神・淡路大震災では支援情報が届かず、避難者の帰還に結び付かなかった。東日本大震災では総務省の全国避難者情報システムが稼働したが、避難者の自己申告頼みで、漏れが生じた。
 その後、国は災害対策基本法を改正。被災者本人の同意なしで個人情報を自治体間でやりとりできるようにし、熊本地震では県が全国の自治体に協力を求めた。だが把握は公営住宅入居者らに限られ、全容はつかめなかった。県は昨年、内閣府にICT(情報通信技術)を活用したシステム構築を要望している。桁違いの避難者が想定される首都直下や南海トラフの巨大地震を見据えれば、県境を越えて避難情報を把握できるシステムづくりを急ぐべきだ。
 県外避難を「自己判断」と突き放すのではなく、被災者が自らの避難行動を選択・判断しやすい情報提供の仕組みづくりも急務だろう。被災者は避難時、必ずしも支援や避難に関する制度を十分理解し、見通しをつけているわけではない。その結果、熊本地震でも支援が届かなかったり、短期で打ち切られたりしたケースがあった。
 家族間で県外避難や帰還への思いに温度差もあり、避難先で孤立感を抱く人もいる。被災地と避難先の距離という障壁があることも踏まえ、被災者一人一人の不安や心配事を丁寧に受け止められる相談体制が必要だ。
 県外避難者が安心できる体制を構築し、帰ってきたいと思える環境づくりが望まれる。


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