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福井新聞/2017/11/14 8:05
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/260315

米抜きTPP大筋合意/やはり農業は置き去りか

 米国離脱で交渉の行方が注目された環太平洋連携協定(TPP)の参加11カ国はベトナムで開いた閣僚会合で新協定に大筋合意した。内容より合意を最優先させた日本側のごり押しで決着させ、来年早期の署名を目指す方針だ。ただ、カナダなどが要求した項目は積み残すなど、最終合意は見通せない状況だ。
 12カ国によるTPPは世界の国内総生産(GDP)全体の約4割を占める最大の自由貿易協定となる。しかし、保護主義を掲げるトランプ米大統領は離脱を表明。2国間の自由貿易協定(FTA)交渉で貿易赤字を解消することに躍起だ。日本としてはTPPへの早期復帰を促すと同時に、FTA圧力の「防波堤」にしたいのだろう。
 その目線の先にあるのは東アジア地域包括的経済連携(RCEP)だ。今や世界第2位の中国が主導権を握ることへの警戒感もあり、日本を軸に自由貿易体制の枠組みを早期に形成しておきたいところだ。
 だが、米国抜きのTPPでは経済規模が3分の1に縮小してしまう上、復帰のめどが全く立たない中で発効を急ぐのは、いかにも拙速、その場しのぎの「仮協定」ではないのか。
 交渉では、米離脱に伴い著作権の保護や医薬品のデータ保護期間の規定、さらに企業が進出先の国を提訴できる紛争解決手続き(ISDS)の一部など20項目を凍結した。米国の要求に沿ったものが多く、復帰すれば凍結を解除するというが、11カ国で一から見直すのが筋であろう。
 確かに多国間協定は自由貿易が保証され、交易が盛んになる。とはいえ、本来国には守るべき産業や文化がある。国民が営々と育んできた独自の価値体系だ。
 最大の問題は農業分野である。生産現場からはTPP枠縮小の声が強く出ていたが、合意した農林水産物の関税撤廃や引き下げは手つかずのまま変わらない。コメの輸入では米国産7万トン枠は見送るが、オーストラリア産の無関税枠は最終的に8400トンを設定。小麦は関税に当たる「輸入差益」が削減される。
 畜産はさらに深刻だ。牛肉の関税は現行の38・5%が発効16年目に9%、豚肉も4・3%関税がかかる高級部位は10年目にゼロ。チーズも16年目に撤廃され、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドなどの主産国が優位になる。
 成長一辺倒の安倍政権は農業分野も成長戦略に位置付けるが、中山間地の小規模農家や厳しい価格競争にさらされる酪農家は経営の危機に瀕(ひん)し、耕作放棄地は一層拡大するだろう。
 国は農業の競争力強化を目指し改革を促進。2018年産からはコメ生産調整(減反)も見直され、直接支払交付金が廃止される。コメの消費減と収入減がなぜ成長戦略になるのか。
 少々高くても安全で生産者の顔が見える農産物を国内で地産地消することが、農の持つ多面的な機能保全と自給率向上につながる。日本型農業の在り方を国会でまともに議論すべきだ。


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