main menu
サイト内検索
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録
OpenIDログイン

OpenIDを入力

mixi Yahoo! JAPAN Google BIGLOBE はてな livedoor エキサイト docomo ID

ツッCOM

切り抜き詳細

奈良日日新聞/2017/11/10 12:05
http://www.naranichi.co.jp/20171110is490.html

能楽発祥の地・奈良/全国、世界に発信を!

 「能楽は、歴史的にも芸術的にも、まぎれもなく、心を育てる日本文化の柱である」と語るのは、数多くの海外公演を経験し、「能楽堂を出た能」をプロデュースする能楽小鼓方大蔵流十六世宗家、大倉源次郎氏。このほど「能楽の魅力を多くの人に伝えたい」と「大倉源次郎の能楽談義」(淡交社刊)を出版した。
 源次郎氏によると、大和四座として奈良から出発した能楽は、室町時代から江戸時代にかけてその上演形態が完成し、人類の誇る伝統芸能としてユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている。能の誕生の地・奈良から全国、世界に出向き、能楽の情報発信を展開しているが、まだまだ認識されていないのが現状だという。
 たとえばフランスではミッテラン大統領にしろ、シラク首相にしろ、文化大臣を経験していないとトップになれない。大航海時代には植民地政策による産業で国の富を集めたのに対して、特にフランスでは産業ではなく、文化面で富を集めた。1960年代にはボサノバがはやり、80年代にはランバダとブラジルの音楽をヨーロッパではやらせ、文化的富を得た。
 絵画の世界でも19世紀に画家たちに対して「パリに住めば作品を物納することで税制面での優遇措置をとる」といった特権を与えた。このためシャガール、ピカソ、ダリなど、ヨーロッパの名だたる画家たちがパリに集まって絵画の一大ブームを起こし、その作品を物納することで、パリの美術館は素晴らしい作品の宝庫となった。
 そして、画家たちは終焉(しゅうえん)の地をパリで迎えることにより、ヨーロッパ各地で生まれたにも関わらず、フランス在住の画家として永遠に名を残すこととなった。今も芸術家が活動しやすい環境を持つパリの話だという。
 この環境を能楽界に置き換えて考えると、世界無形文化遺産に登録され、世界的に評価が高まる能楽のプロが、能楽の故郷である奈良に住めば、能楽に対する税の控除が得られるというのはどうか、と源次郎氏は提言する。
 その代わり、奈良で能の主要な活動をして、世界への発信が義務づけられる。また、古典作品を継承するだけでなく、世界のあらゆる物語を能楽作品として新たに制作して上演し、後世に残す活動をする。それら新たな作品も、世界に通用する芸術作品としてオリンピックのように4年に一度くらい優秀な作品を世界に発信する。
 さらにパリの芸術家が行ったような「物納」は能ではできないので、たとえば「納税公演」することで、舞台活動に必要な稽古場などのハード面の維持と、ソフト面での育成、保全などに関する文化育成控除のようなものが考えられないかという。また、能楽団体が法人化する際に、社団や財団といった既存の組織にあてはめるのではなく、「芸能法人」のような法人が設立できるように働きかけたいとも強調する。
 奈良が能楽の世界にあふれ、広く県民が能という奥深い芸術作品に親しめば、外国人観光客の多くが奈良を日帰りにするわけにはいかないだろう。


コメント一覧


 

 

©太陽と風と水, 2011/ info@3coco.org  本サイトについて