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東奥日報/2017/10/12 10:05
http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/20171012029562.asp

日本的感性 世界文学に/イシグロ氏にノーベル賞

 長崎市生まれの英国人作家カズオ・イシグロ氏にノーベル文学賞が贈られることになった。日本人関係としては川端康成氏、大江健三郎氏に次いで3人目となる。
 そのイシグロ文学の特徴は「記憶」である。記憶を自己の都合でゆがめてしまう人間存在と、歴史という社会・国家の記憶を勝手に曲げてしまう共同体の問題。さらに個人はすべてをはっきり記憶していたら幸せなのか。社会・国家が恣意(しい)的にゆがめてしまった記憶・歴史はどうしたら正せるか。そのように記憶を巡って何重にも膨らんでいく作品世界を、繊細かつ幻想的な文体で描く。
 受賞決定後の会見で「物の見方、世界観、芸術的な感性には日本が影響している。私の一部はいつも日本人だと思っている」と語っていたように、その創作の原点には、5歳まで過ごした日本の存在があるとされる。
 現在62歳。会見では漫画とのコラボレーションについても言及するなど、文学の枠にとどまらない活動にも旺盛な意欲を見せていた。日本的な感性を世界文学へと結実させたイシグロ氏の今後の創作活動に大いに注目したい。
 イシグロ氏は5歳のとき、海洋学者の父の仕事で英国に渡り、英国の大学で文学、創作を学んだ。ほとんど日本語は話せず、英語で執筆するが、デビュー作「遠い山なみの光」と2作目「浮世の画家」は日本が舞台。自分のことを書いた小説ではないが、英国で育ったイシグロ氏にとって、小説は少しずつ遠のいていく日本の記憶をつなぎ留める表現手段だったという。
 英文学最高のブッカー賞を受賞した「日の名残り」は、英国人執事の旅と記憶の回想を描いた物語だ。
 最新作「忘れられた巨人」でも、遠くにいる息子を訪ねる老夫婦のあいまいな記憶とともに、人々が生きる共同体の記憶の在り方を描いた。
 映画化されベストセラーとなった「わたしを離さないで」ではクローン人間や臓器移植の問題に取り組んだ。
 イシグロ作品を翻訳刊行する早川書房は小説8作品で計22万5千部の増刷を決定。発行部数は総計で120万部に上るという。
 これまでも日本の文学ファンの間では注目される存在だったイシグロ氏だが、今回の受賞を機に、その作品世界に触れてみたいと思う人がますます増えることだろう。


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