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徳島新聞/2017/7/17 10:05
http://www.topics.or.jp/editorial/news/2017/07/news_15002125072354.html

IS拠点陥落  米ロ協調こそが問われる

 過激派組織「イスラム国」(IS)の重要拠点だったイラク北部のモスルが、イラク軍などによって陥落した。
 ISの弱体化を決定付ける成果である。公開処刑など、蛮行の限りを尽くしてきたISの恐怖統治から、市民が解放されたことを喜びたい。
 今後の焦点は、ISが「首都」と称するシリア北部のラッカの奪還に移る。米国やロシアなど関係各国が対立を乗り越え、結束していく必要がある。
 モスルはイラク第2の都市で、2014年6月にISに占拠された。旧市街の礼拝所「ヌーリ・モスク」は、指導者バグダディ容疑者が初めて公の場に姿を現し、「カリフ(予言者ムハマドの後継者)」を名乗った場所で、IS支配の象徴となっていた。
 奪還作戦は昨年10月、米軍の支援を受けたイラク軍や警察部隊などが始めた。
 成功したとはいえ、イラクの前途はなお厳しい。国連によると、破壊し尽くされたモスルの街区の復興は、緊急案件だけで10億ドル(約1140億円)以上が必要という。全体の費用は推定値すらない。
 家を追われた市民は約92万人に上り、30万人以上が避難民キャンプで生活している。日本をはじめ国際社会の支援が急がれよう。
 最大の課題は宗派対立の解消である。モスルはイラクで少数派のイスラム教スンニ派が多数を占め、シーア派主導の政府や軍に虐げられてきた。そのため当初、スンニ派組織であるISを多くの市民が歓迎した経緯がある。
 アバディ首相は国民の結束を呼び掛けたが、政府こそ先頭に立たなければならない。少数派への抑圧が続き、融和が進まなければ、再びISが台頭する恐れがある。国内に潜む残党の掃討にも、力を入れる必要がある。
 シリアのラッカ奪還に向けては、米軍が支援する少数民族クルド人主体の民兵組織が作戦を本格化させた。ISは激しく抵抗しており、解放にはまだ時間がかかりそうだ。
 鍵を握るのは、アサド政権の存続を巡って意見を異にする米ロが、対ISでどこまで協調できるかである。まずは、内戦の停戦合意を持続させなければならない。
 ISの支配地域は縮小しているが、逆にテロの脅威は世界に広がっている。多くの戦闘員が母国に戻り、ISの過激思想に感化される若者も増えているためだ。
 中東や欧州、アフリカ、アジアと、ISに共鳴する組織も活発化してきた。昨年、日本人らが犠牲となったバングラデシュでの飲食店襲撃事件は記憶に新しい。
 忘れてならないのは、それらの背景に差別や貧困、格差があることだ。少数者を排除する社会への怒りが、過激思想を生む土壌になっている。
 武力だけでテロが根絶できないのは明らかだ。今、世界に求められているのは、排外主義ではなく、多様性を認める寛容の精神である。


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