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桐生タイムス/2017/6/16 16:05
http://kiryutimes.co.jp/editorial/12545/

見つめ続ける大切さ

 「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法の改正案が可決成立した。テレビや新聞のニュースなどを通じ、国会の論戦に注目してきたが、質疑と答弁の内容は最後までかみ合うことなく、議論が深まることはなかった。
 野党が示す疑問や懸念について、政府は説明を尽くしてその解消を試みるのが道理だが、説明は不安定で一貫性に欠けていた。法案を提出した責任者である担当大臣さえ、自分の言葉で質問に答えることができない。
 取り締まりの対象が「組織的犯罪集団」とあるが、何をもって該当する集団とみなすのか。一般の市民が対象となるようなことは本当にないのか。重大犯罪の「計画」が成立する要件とは何なのか。「実行準備行為」に該当する行為とは何なのか。いずれの質問に対しても、明確な限定が見えてこない。これでは捜査する側の権限の広さにばかり、つい目が向いてしまう。
 共謀罪について自首をした場合、自首した者の刑が減免されるという点も気になる。仮に自白のみをもとに逮捕されるような事例が増えるとすれば、虚偽の自白による冤罪が発生するケースも増えるのではないか。
 膨らんだ疑問や不安がぬぐえぬまま、会期内に押し込めとばかりに通常の手続きは省略され、採決まで進んでしまった。
 国会議員は選挙を通じて信託を寄せた国民の代表者である。それぞれの議員が示す言動は、彼らを選んだ私たち自身と直結している。はるか遠い国会という場所で、何やら複雑で難しい議論をしているようだと、そんな印象を抱かせてしまったとすれば、伝えるメディアの側にも責任の一端はあるのだろう。
 自省を踏まえつつ、成立した「共謀罪」法について、今後はその具体的な運用方法に対して私たちはいっそう注目し、権力を監視し続ける責任がある。
 1年前、当欄で紹介したフランス文学者の渡辺一夫さんの言葉を思い起こしてみる。機械文明や制度、思想、宗教など、人間がつくり出した仕組みに人間自身がとらえられる状態を指し、渡辺さんは「人間の機械化」だと戒めた。機械化した人間は、自らに降りかかる厄災を他人のせいだと攻め、運命だから仕方ないと責任を転嫁する。
 法律もまた、人の生み出した仕組みの一つ。心穏やかに生き生きと暮らすために、私たちがつくり出したルールであるなら、責任の転嫁はできない。


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