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神戸新聞/2020/12/28 6:05
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202012/0013969961.shtml

袴田事件/一刻も早く再審の開始を

 静岡で一家4人が殺害された「袴田事件」で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さんの第2次再審請求に対し、最高裁は請求を棄却した東京高裁の決定を取り消した。これで再審への扉が再び開かれたことになる。
 とはいえ審理は高裁に差し戻される。1966年の事件発生と逮捕から54年が過ぎ、袴田さんは84歳の高齢になった。裁判所は一刻も早く、再審開始の判断をすべきだ。
 最高裁が差し戻した理由は、犯行時の着衣とされる「5点の衣類」に付いた血痕についての検討不足だ。衣類は事件の1年以上後、勤務先のみそタンクで見つかった。血痕の色には赤みがあったとされる。
 弁護団は実験結果を基に、衣類を長期間みそに漬けると血痕が黒っぽくなると主張した。静岡地裁も、袴田さんがタンクに入れたとすれば赤みが残るのは不自然と判断し、2014年に再審開始を認めた。
 ところが東京高裁は変色を起こす化学反応を重視せず、地裁の決定を取り消した。最高裁はこれに対し、血痕の色について高裁で審理が尽くされていないと述べた。この指摘そのものは理解できる。
 しかし審理をやり直すとなれば、さらに時間が必要となる。先延ばしにすることは、再審が冤罪(えんざい)被害者の救済手段であるという面からみて、問題と言わざるを得ない。
 今回、5人の裁判官のうち2人が「さらに時間をかけることには反対で、再審を開始すべきだ」と異例の反対意見を述べている。最高裁が自ら再審開始を決めなかったことは残念でならない。
 弁護側が示した血痕のDNA型鑑定では、袴田さんや被害者以外の型だという結果が出ていた。最高裁がこれを証拠価値がないと判断したことにも疑問が残る。
 袴田さんは釈放されてから7年近くになるが、拘置所での生活が半世紀近く続いたため、精神面への影響は消えていないという。現在も確定死刑囚という不安定な立場は変わらない。たとえ再審によって無罪が得られたとしても、重大な人権侵害が消えることはない。
 袴田事件では地裁が検察側に勧告するなどして約600点の証拠が開示され、それが再審開始決定につながった。だが再審請求での証拠開示が法律で定められていない問題は、専門家から度々指摘されている。
 また、再審開始決定に対する検察官の不服申し立てが審理を長引かせているとして、日弁連はその禁止も求めている。
 こうした点を含め、再審請求の長期化を防ぐ制度改善を、早急に進めていかなければならない。


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