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神戸新聞/2020/12/17 6:05
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202012/0013943717.shtml

9人殺害判決/解明できなかった心の闇

 神奈川県座間市で2017年、男女9人の切断遺体が見つかった事件の裁判員裁判判決で、東京地裁立川支部は、強盗強制性交殺人などの罪に問われた白石隆浩被告に求刑通り死刑を言い渡した。
 被害者は会員制交流サイト(SNS)に自殺願望を投稿するなどした当時15~26歳の若者だ。判決は、被告が9人を殺害して現金を奪い、遺体を損壊・遺棄したと認定した。「犯罪史上まれに見る悪質な犯行」と断じている。被害者の尊厳を踏みにじった被告の猟奇的な行為や過去の判例などに照らせば、極刑を避ける理由が見いだせなかったのだろう。
 遺族は公判で「楽しかった日常を返してほしい」などと陳述した。若者の未来が無残に奪われた無念さは想像にあまりある。
 裁判の争点は、SNSに「死にたい」などと書き込んだ被害者が殺害に同意していたかどうかだった。判決は「黙示の承諾を含め、真意に基づく承諾はしていない」と述べた。「死ぬ気はなく、頑張ろうとしていた」などという遺族の証言にも沿う判断となった。
 動機については、金銭や性欲を満たすことや口封じと判示した。被告は「自分の快楽をずっと追い求めた生活だった」と話しており、その心情は常識ではおよそ理解しがたい。
 弁護側も公判で「被告は真実を話さず、全てを早く終わらせようとしている」と述べ、被告の本心をつかめないことをうかがわせた。今後の凶悪犯罪を防ぐ上でも、その心の闇を十分に解明できなかったことは残念でならない。
 公判で被告は十分な謝罪をせず、「娘を返せ」と怒声を浴びても表情を変えなかった。遺族の多くが死刑を求めた心情は理解できる。一方で「簡単に死刑になるべきではない。何十年もかけて自分の罪を考え続けてほしい」と望む遺族もいた。
 死刑については、以前から冤罪(えんざい)の恐れなどの問題点が専門家から指摘されている。終身刑の導入なども含め、死刑制度の是非を巡る議論も深めなければならない。
 SNSへの投稿が陰惨な犯罪に悪用されたことも、今回の事件が社会に与えた大きな衝撃の一つだった。
 事件の後、自殺に関する書き込みの監視が強化された。SNS事業者も対策を進めている。
 しかしネット上では、生きづらさを抱える若者が自殺をほのめかすケースが後を絶たない。自殺に誘うなどの情報の通報も今年上半期、昨年同期の約4倍となった。
 公的な相談窓口の周知やその内容の充実に加え、若者の悩みを周囲の大人が敏感に察知し、寄り添う社会にしていくことが求められる。


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