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神戸新聞/2020/12/10 6:05
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202012/0013926945.shtml

医療事故調5年/遺族の思いに沿う改革を

 患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度の導入から5年となった。
 医療機関が第三者機関に事故発生を届け出るとともに、自ら調査する仕組みである。結果は遺族に説明し、第三者機関にも報告する。
 届け出件数は年間1300~2千件が見込まれていたが、第三者機関の集計では5年間で1847件だった。高度医療を担う大規模医療機関では発生が多いと推測されるが、600床以上の施設のうち3割超で報告実績がなかった。
 適切な報告がなされていないとの指摘もある。5年を機に制度の在り方をしっかりと検証するべきだ。
 調査制度が発足した背景には、2000年前後に相次いだ薬剤誤投与などの重大事故による医療不信があった。検討の過程で、医療界の一部には「現場が萎縮する」といった意見もあり、その点に配慮して、第三者機関に届け出るかどうかは医療機関に委ねる形になった。
 医療事故の遺族の間には、まず制度を発足させることで「小さく産んで大きく育てる」との期待もあったという。
 だが医療機関側の消極的な姿勢は、5年を経てもほとんど変わっていない。個人への責任追及などの警戒感から調査に非協力的だったり、拒否したりしたケースも報告されている。届け出件数が少ない要因とも考えられる。
 死亡から届け出まで半年以上を費やした例が一定数あり、中には約2年半かかったケースもある。遺族が調査を求めても、医療機関がちゅうちょしている状況がうかがえる。
 「予期せぬ死亡」の対象が明確に定義されておらず、恣意(しい)的に解釈できる点も問題だ。再発防止に後ろ向きな医療機関は事故を届け出ず、うやむやに終わらせている可能性が否めない。
 これでは調査制度は実効性を持たない。遺族らでつくる市民団体は、独自調査を行えるよう第三者機関の権限を強化することや、個別の調査報告書について要約版の公表などを厚生労働省に提言している。いずれもうなずける内容である。
 個人の責任論とは切り離して事故の原因を突き止め、再発防止や医療の質の向上を図るのが調査制度の目的だ。さまざまな事例を調査し知見を得ることは医療界全体にとっても大きなメリットになる。そうした認識を、すべての医療機関が共有しなければならない。
 診療や治療を受けていた家族を失った遺族がその原因を知りたいと思うのは当然のことだ。5年の経験を踏まえ、その思いにどう応えるか、医療の姿勢が問われている。


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