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河北新報/2020/12/13 8:00
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20201213_01.html

震災の教訓伝承/未来の語り部育 成今から

 震災発生から間もなく10年になる。時がたつと記憶は薄れてゆく。その分、教訓を伝える意義は高まる。震災10年を未来への伝承を考える契機にしたい。
 津波被災地では復興の歩みとともに、慰霊碑やモニュメント、震災遺構などが整備された。津波の高さや威力など被害を伝える上で、震災伝承施設は重要な役割を果たす。ただ、後世に伝え続けるには、モノだけでは心もとない。
 名取市閖上地区に1933年の昭和三陸地震を伝える石碑がある。碑には「地震があったら津波の用心」の警告と、当時の津波被害の概要が刻まれている。
 閖上で震災時に、かつての被害を知る人は少なかった。世代交代が進むにつれ、伝承は難しさが増す。過去の被災地の多くで共通する課題だ。
 世代を超えた伝承の参考になるのが、宮崎市島山地区の事例。1662年に外所(とんところ)地震の津波が同地区に押し寄せ、たくさんの犠牲が出た。
 先人は子孫に警鐘を鳴らし続けるため、50年ごとに新しい供養碑の建立を地域に義務付けた。後の住民はその意をくみ、350年以上も慰霊を続けながら、津波対策に取り組んでいる。伝承は人の活動を伴ってこそ息づく。
 震災の被災地で注目したいのは、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館の取り組み。同市階上中の生徒有志が昨年10月、地元の語り部の指導を受け、自分たちも伝承館で語り部活動を始めた。
 現在の中学生は震災発生当時3〜5歳。震災を覚えている生徒は記憶を頼りに、覚えていない生徒は親や祖父母、近隣住民の話を聞いて、被災直後の被害や人々の様子を自分の言葉で伝えている。
 被災地では年月とともに震災の経験者が減り、震災を知らない人が増える。伝承館の取り組みは、次代を担う子どもたちが語り継ぐことで、世代交代で直面するであろう伝承の課題を、先回りして克服する試みとも言える。
 震災直後、各地で中学生は避難所運営の一端を担い、場の雰囲気を和らげ、周囲を元気づけた。身を寄せた人たちは、活動する姿に地域の将来や希望を見たに違いない。
 伝承活動においても、中学生だからこそ被災者から引き出せる言葉や、聞き手に届けられるメッセージがあるのではないか。家庭、地域の伝承はもとより、成長して他の地域に進学、就職したら、震災の教訓が拡散されるのではないか。そんな期待を抱く。
 震災では太平洋側沿岸自治体が広範囲にわたり津波に襲われ、犠牲や被害の現場の数だけ備えの教訓があった。まだ震災10年。被災地には震災の当事者がたくさんいる。
 震災の記憶が確かな今のうちに、地元の被災体験を聞き取り、震災後に生まれた世代へと語り継ぐ若い人材を育てる。そのような取り組みを、被災各地に提案したい。


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