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読売新聞/2020/8/8 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200807-OYT1T50314/

新型コロナ対策/感染抑止へ国は責務を果たせ

 効果的な感染症対策を実施し、爆発的な流行を防ぐことが、社会経済活動の維持には不可欠である。国と自治体は総力を挙げるべきだ。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、地域の感染状況を判断するための指標をまとめた。行政が具体策を講じる際の目安とする狙いがある。
 病床の逼迫(ひっぱく)度や、PCR検査の陽性率など6項目の指標を設け、感染が散発的なステージ1から、最も深刻なステージ4まで、都道府県を分類する方針を示した。
 重症者用の病床の5分の1以上が埋まればステージ3、2分の1以上ならステージ4と位置づけた。東京都の一部の指標は、現状でステージ3に当たるという。
 客観的な数値を政府が明示したことで、自治体は、外出自粛や休業などを住民に要請しやすくなるだろう。国と緊密に連携し、先手先手で対応する必要がある。
 感染の再拡大を受け、対策強化に踏み切った自治体は多い。
 東京都は、酒類を提供する飲食店に20万円の協力金を用意し、営業時間の短縮を要請した。沖縄県は、観光などで来県を予定する人に再検討を求めている。既に病床に余裕がない状況だという。
 政府は、経済への悪影響を警戒し、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令には慎重だ。重症者が少ないことなどを理由に「4月の宣言時とは異なる」としている。
 新型コロナは、収束の兆しが見えない。重症者は徐々に増えている。宣言は当面、回避するにしても、適切な手だてを講じなければ、国民の不安は拭えまい。
 特措法は、休業要請などを知事の判断に委ね、国の役割を自治体や関係機関との「総合調整」と定めている。だが、社会に大きな影響を与える措置を行う際に、政府が傍観していてはならない。
 自治体任せにせず、休業の協力金の財源を国が確保するとともに、検査センターの設置を後押しする。こうした取り組みを強め、対策を主導することが肝要だ。
 大阪府の吉村洋文知事が、うがい薬使用の励行を呼びかけたところ、買い占め騒動が起きた。感染や重症化を防ぐ効果は確認されていないという。混乱を招かないようにしてもらいたい。
 分科会の尾身茂会長は、お盆に帰省するとしても、手指の消毒やマスクの着用を徹底し、大人数での会食は控えるよう促した。新しい生活様式を一人一人が心がけることが大切である。


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