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読売新聞/2020/8/7 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200806-OYT1T50303/

高校普通科再編/画一的教育から脱却できるか

 急速な技術革新に伴い社会が大きく変化している。次代を担う人材の育成に向けて、高校教育も個性や特色を打ち出すことが重要だ。
 文部科学省が高校の普通科を再編する案をまとめた。2022年春にも、新しいタイプの高校が誕生することになる。
 高校には、普通教育を行う普通科、商・農・工業などの専門学科、普通教育と専門教育を合わせた総合学科の3種類がある。
 今回は従来の普通科を残した上で、文系・理系にとらわれない学科や、地域の課題解決を目指す学科などの設置も認めるという。
 生徒の7割が通う普通科は、授業が大学入試偏重で画一的だとの批判がある。何を学びたいかよりも偏差値を基準に高校を選んだ結果、学習意欲に欠ける生徒もいた。生徒が主体的に学べるよう、魅力ある教育に改めねばならない。
 気がかりなのは、新学科の姿が見えにくい点だ。国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への取り組みなどが想定されているが、各地にSDGsを学ぶ高校ばかり乱立するようでは、それこそ本末転倒である。
 改革が看板の掛け替えに終わらぬよう、文科省は具体例をしっかりと示すべきだ。各教育委員会も、地域にとってどのような高校が必要か、議論を深めてほしい。
 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、高校生は在学中に有権者になる。卒業後すぐ社会に出る生徒もいる。主権者教育に加え、将来の仕事を考えるキャリア教育の推進も大切になるだろう。
 新しい産業や技術への対応を求める声は強い。再編を機に、専門的な職業教育も充実させたい。
 高校は少子化で定員割れが相次いでいる。生徒数の減少が著しい地域では、授業や部活動にも支障が出ている。統廃合や近隣校との連携で学校運営を効率化させ、県外からも生徒を呼び込めるような高校づくりを進めたい。
 少子化の波は都市部の高校にも押し寄せている。旧態依然とした教育を続けていては、生徒の減少に拍車がかかりかねない。
 教育方針や目標が不明確な高校は少なくない。どのような生徒を育てようとしているのか、受験生や保護者にきちんと説明し、理解してもらうことが大事だ。
 高校だけの取り組みには限界がある。地元の自治体や産業界、大学などとの連携を強め、社会や地域のニーズを酌み取りたい。授業や学校運営に参画してもらうことも検討に値するのではないか。


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