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読売新聞/2020/8/5 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200804-OYT1T50285/

NHK経営計画/これで肥大化是正が進むのか

 受信料で成り立つ公共放送として、業務の肥大化路線を是正しなければならない。その具体策が問われている。
 NHKは、2021~23年度の次期経営計画案をまとめた。柱となったのはチャンネルの再編である。
 四つの衛星放送のうち、報道とスポーツ中心の「BS1」、娯楽番組中心の「BSプレミアム」、高精細画質の「BS4K」の三つを段階的に一つにする方針だ。ラジオは、AMの第1と語学番組中心の第2を統合するという。
 意見公募を経て、年内にも正式に計画を策定する予定だ。
 総務省は「業務・受信料・組織統治」の三位一体改革を求めてきた。事業のスリム化に向け、実効性ある計画とするべきである。
 NHKは放送法に基づく特殊法人だ。利益の追求は必要なく、法人税は支払っていない。
 19年度の受信料収入は約7100億円で10年度と比べ1割近く伸びた。番組制作などの国内放送費は10年間で約3割増えている。
 優遇された立場で、民業圧迫を続けることは許されまい。
 今年春、若者のテレビ離れ対策として、インターネットへの番組の「同時配信」を始めた。新たな分野に乗り出すのなら、他の事業を見直すのは当然である。
 問題なのは、今回の計画案が、総務省などが要請する子会社の改革や受信料の引き下げについて、踏み込まなかったことだ。
 子会社は、本体とは異なり株式会社であり、収益事業も可能だが、イベント企画や通販など民間と競合するビジネスが多い。
 グループ内の取引額の9割超は随意契約で、高コスト体質だと指摘されている。剰余金をため込んでいることも見過ごせない。
 業務範囲を限定しながら、子会社の再編や人員削減などの改革を断行してもらいたい。
 そうした取り組みを、確実に受信料の引き下げにつなげていくことが重要だ。日本新聞協会は、受信料収入のうち2000億円を削減できると試算している。
 NHKは今後、地上波の契約と、衛星放送も見られる契約を「総合受信料」に一本化することを検討するという。地上波のみ視聴する世帯の負担が増すことはあってはならない。多くの国民が納得できる受信料とする必要がある。
 公共放送の役割の明確化も不可欠だ。民放と似た手法の娯楽番組が増えているが、その妥当性も含め、NHKのあり方について論議を深めることが大切となる。


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