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読売新聞/2020/8/4 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200803-OYT1T50291/

九州豪雨1か月/コロナ防ぎつつ生活再建急げ

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、被災地の復旧作業が遅れている。国や自治体は、感染防止に細心の注意を払いつつ、被災者の生活再建を急がねばならない。
 九州などを襲った豪雨の発生から4日で1か月となった。甚大な被害を受けた熊本県では、全半壊や床上浸水した住宅が6000棟を超え、1000人以上が避難所に身を寄せている。
 住宅から土砂やがれきを運び出す作業は、はかどっているとは言い難い。地元自治体は感染を防ぐためボランティアの受け入れを県内在住者に限っており、人手が不足していることが背景にある。
 熊本県に派遣され、避難所で支援活動をしていた高松市職員の感染が判明したケースもあった。
 被災地で感染が広がれば、復旧はかえって遅れることになる。苦渋の選択だろうが、感染防止を優先する判断はやむを得まい。
 私有地の土砂やがれきは住民が運び出すのが原則だが、高齢者世帯などは支援がないと難しい。
 そのため国は、市町村の委託を受けた撤去業者が搬出を代行する制度を設けている。費用の大半は国が拠出し、被災住民は負担の必要がない。今回も一部で活用されている。市町村は業者の確保で協力し合い、作業を急ぐべきだ。
 近年、ボランティアは大規模災害からの復旧に欠かせない存在になっている。コロナ禍で活動が限られる状況で、今後は災害時の人員をどのように確保するのか。自治体や住民、企業などは事前に検討しておくことが重要になる。
 被災地では梅雨が明け、暑さが厳しくなってきた。熱中症への警戒も怠ってはならない。
 感染を防ぎ、避難生活のストレスを軽減するには、避難所暮らしを早期に解消できるよう、仮設住宅の整備を進める必要がある。
 国がコロナ対策で、避難所に人が集中しないよう呼びかけたこともあり、親類宅に避難したり、車中泊を続けたりする被災者が少なくない。自治体は被災者の全体像がつかめず、必要な仮設住宅の数もはっきりしていない。
 自治会や民生委員とも連携し、被災実態を早期に把握して、支援につなげることが大切だ。
 今回の豪雨による農林水産関連の被害額は全国で1000億円を超えている。このうち、ほぼ半分が熊本県内だという。
 被災地の復興には巨額の費用がかかる。県はふるさと納税制度による寄付を募っている。今できる支援を県外からも届けたい。


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