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読売新聞/2020/6/30 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200629-OYT1T50227/

5G網整備/国産化へ官民の力を結集せよ

 デジタル時代の基盤となる次世代通信規格「5G」のインフラ整備が急務だ。安全保障の観点から「国産5G」の普及を促進してもらいたい。
 NTTとNECが資本・業務提携し、5G技術の共同開発を行うと発表した。多様なデータの活用に重要な5G網を国産技術で作り上げていく狙いがある。
 5Gは、スマートフォンで使う現行の4Gに比べ、最大100倍近い速度で通信できる。現在は5分ほどかかる2時間映画のダウンロードが3秒で済むという。
 高画質の映像を瞬時に送れるため、遠隔からの手術や建設現場のブルドーザーの操作ができる。無数のセンサーで交通・道路状態を把握し、自動運転の実現を後押しする。社会を変える潜在力は大きいと言えよう。
 日本では、今年3月にスマホ向けサービスが始まったが、欧米や韓国より1年ほど遅れた。普及に必要な基地局の設置は現状、大都市の一部などに限られる。
 整備を加速せねばならない。
 課題となるのは、日本の関連メーカーの巻き返しである。
 世界の基地局市場のシェア(占有率)では、2019年に8割近くを中国の華為技術(ファーウェイ)と北欧のエリクソン、ノキアの3社が占めた。
 国内ではNECと富士通が一定のシェアを持つが、海外企業と比べコストが高いとされる。このまま地盤沈下すれば、国内市場も外国勢に奪われかねない。
 ファーウェイに対しては、中国に機密情報が抜き取られる恐れがあるとして、米国が禁輸などの制裁を強めている。日本も豪州などと共に歩調を合わせている。
 海外メーカーに頼らない国産の体制強化が大切だ。NTTとNECの提携をその一歩としたい。
 両社は他企業との連携を広げ、複数メーカーが分業してコストを抑える「オープン化」を目指すという。多くの参加が望まれる。
 国の支援も求められよう。
 政府は、5Gの基地局を23年度末に21万局以上に増やす目標を掲げている。実現に向け、5G設備の整備計画を前倒しした企業などを対象に、減税措置を実施している。新たな技術開発に対する資金助成も行う方針だ。
 実効性ある施策で5G分野の国際競争力を高め、日本経済の成長に生かすことが欠かせない。
 5Gを使えば新サービスの可能性は無限に広がろう。画期的な新事業をいかに創造するか、幅広い企業の取り組みが問われる。


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