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北海道新聞/2020/2/23 6:00
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/395873?rct=c_editorial

大学共通テスト/作問の公正性保たねば

 大学入試センターへの信頼が揺らぎかねない事態だ。
 新年度から始まる大学入学共通テストで、国語の問題作成に携わる複数の委員が民間出版社から対策問題集を出版していた。
 同じ人間が試験問題も対策本も、では試験の公正さを疑われるのは当然だ。委員らは内部の批判を受けて辞任したとされる。
 センターは「社会的な誤解を招く行為」と認めたが、詳細は説明せず、新年度の共通テストへの影響はないと一方的に結論づけた。
 こんな対応では、受験生の不信感は到底拭えまい。
 共通テストの国語を巡っては、記述式問題の導入が見送られ、文部科学省の有識者会議で今後のあり方の検討が行われている。混乱はまだ収まっていない。
 第1回共通テストまで1年を切った。センターは試験の公正性をどう担保するか、説明を尽くすとともに、再発防止策を示して信頼回復に努めるべきだ。
 国語の記述式問題は、採点の公正性の確保の困難さとともに、出願先の決定を左右する自己採点の難しさが指摘されてきた。
 昨年夏に刊行された問題集は、10の例題について正答条件を細かく解説したもので、受験生には待望の一冊だっただろう。
 執筆者は大学や高校の教員で、うち複数が共通テストの国語の問題作成に携わっていたという。
 解せないのはセンターの対応である。
 委員が特定されれば問題を類推される恐れがあるとして、事実関係を説明していない。問題集は第1回テストの内容を類推できる情報を含んでおらず、利用者が有利になる情報はないともいう。
 だが、入試の問題作成に携わる人がつくった問題集には、出題の傾向や狙い、正答条件が反映されるとみる人は多いだろう。公正性への疑念を晴らすのは困難だ。
 文科省は、先に問題集の執筆依頼があり、その後に作問委員に就任したと、委員らの問題集への関与を事実上認めた。
 問題集の執筆を引き受けながら作問委員に就任したこと自体が不見識だが、これを明確に禁じる規定がなかった点は理解に苦しむ。
 記述式問題を巡っては、採点を受託した業者がそれをグループ企業の模試の売り込みに使うなど、利益相反を疑われる事態が続く。
 文科省は、客観性の担保が難しい記述式の導入を断念し、各大学の個別入試での実施を支援する方向にかじを切るべきではないか。


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