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北海道新聞/2020/2/22 6:00
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/395691?rct=c_editorial

米欧が安保対立/多国間協調の再構築を

 外交・安全保障を巡る米国と欧州の亀裂があらわになった。
 各国の首脳や閣僚らが集まって開かれたドイツでのミュンヘン安全保障会議で、欧州側から「自国第一主義」を掲げるトランプ米政権への不満が相次いだ。
 イラン核合意はじめ米欧が一体的に進めた国際協調から、トランプ政権が次々と離脱したためだ。
 欧州はいわゆる「西側」に共通の自由や人権、多国間主義といった価値観の危機を訴える。米国はそうした見方に反論し、危機感に乏しい。一体感からはほど遠い。
 ロシアや中国など権威主義的な国が軍事面でも存在感を高め、安全保障上の脅威が増していることが懸念される。米欧の対立がこれ以上深まれば、国際社会の不安定要素はいっそう拡大しかねない。
 米国は欧州との溝を修復し多国間協調の再構築に努めるべきだ。
 米欧間では、北大西洋条約機構(NATO)の費用負担を巡ってトランプ大統領が欧州に不満をぶつけるなど、ぎくしゃくする場面が目立っている。
 今回の会議は、西側の価値観について見つめ直す狙いがあった。
 開幕演説でシュタインマイヤー独大統領は、米国が中ロ同様、自国利益ばかり追求していると懸念を示し、協調の重要性を説いた。
 冷戦後、国際秩序の安定を共に担ってきた欧州の訴えを、米国は重く受け止める必要がある。
 だが、会議を通じて浮き彫りになったのは安全保障観の相違だ。
 米国は中国への対抗に重点を置く。エスパー国防長官は安保の観点から、欧州が中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などによる第5世代(5G)移動通信システムを排除するよう訴えた。
 英政府がファーウェイ製品の限定的採用を容認するなど、欧州は対中経済取引を重視する傾向があり、認識が食い違う。
 一方、欧州にはロシアへの脅威が根強く、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の一方的編入以来、冷え込んだ関係が続く。
 NATOから距離を置くトランプ政権には頼れないとの声がくすぶり、フランスのマクロン大統領は「欧州が独自に脅威に対応する必要がある」などと、米国抜きの地域防衛戦略の必要性を訴える。
 とはいえ欧州も、欧州連合(EU)から大国の英国が離脱したことで求心力が揺らいでいる。加盟国間の結束が求められる。
 米欧は国際秩序の現状と今後について冷静に対話し、自由や民主主義の重要性を共有するべきだ。


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