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読売新聞/2020/2/21 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200220-OYT1T50259/

イラン国会選挙/対米強硬派の台頭を懸念する

 イランで21日に国会議員選挙が行われる。保守強硬派の勢いが増し、米国との緊張がさらに高まる事態が懸念される。
 政教一致のイランでは最高指導者のハメネイ師が最終決定権を握る。大統領や国会の権限は限定的だ。それでも、保守穏健派のロハニ大統領の国際協調路線は、イランの外交政策で一定の役割を果たしてきた。
 4年前の前回選挙では、ロハニ師を支える穏健派と改革派が躍進し、多数派を形成した。欧米との協調による経済成長への期待が議席増をもたらしたが、今回は退潮は避けられない。
 トランプ米政権の経済制裁によって、イラン経済は苦境が続く。「反米」を強く掲げる保守強硬派は、ロハニ師の対外融和政策の失敗だと主張する。
 さらに、穏健派と改革派の現職議員と候補者の多くが、出馬資格の事前審査で失格となった。ハメネイ師が任命したイスラム法学者らで構成する「護憲評議会」が、排除を決めた。
 イラン指導部は、議会を強硬派で固め、権力基盤を強化しようとしているのではないか。米国との対立が激化する中で、体制の威信が失墜する事件が相次いだことが背景にある。
 ハメネイ師が直轄する革命防衛隊の有力司令官は、米軍の攻撃で殺害された。革命防衛隊がウクライナ旅客機を誤って撃墜し、指導部が隠蔽(いんぺい)を図ったとして、国内で異例の反体制デモが起きた。
 強硬派は、米国への「報復」の継続を求めている。イラン指導部は、強硬策では制裁解除や国際的孤立からの脱却が遠のき、国民の体制批判を封じ続けるのが困難になることを認識すべきだ。
 大切なのは、イランが米欧との対話を重ね、相互不信を解くことである。イラン核合意の順守や、シリアやイエメンの内戦への介入など地域を不安定化させる行動の自制も欠かせない。
 米国の責任も大きい。イランに対する「最大の圧力」政策が、ロハニ師や穏健派を窮地に追い込み、強硬派を勢いづかせた側面は否定できない。トランプ大統領の衝動的な言動は、米国とイランの衝突リスクを高めるだけだ。
 米上院は、イランへの軍事行動で大統領の権限を制限する決議案を可決した。与党の共和党からも賛成票が出た事実を、トランプ氏は重く受け止めねばならない。
 日本や欧州諸国は引き続き、米イランの緊張緩和に向けた仲介努力を尽くす必要がある。


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