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読売新聞/2020/2/20 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200219-OYT1T50251/

サイバー攻撃/防衛情報の流出防ぐ対策を

 日本の防衛関連企業に対するサイバー攻撃は、国の安全保障を揺るがす問題である。
 1月に大量の情報流出が発覚した三菱電機では防衛装備品の機密情報が漏えいした疑いが浮上している。当初は、「防衛や重要インフラに関する情報漏えいはない」としていたが、その後の調査で判明した。
 防衛装備庁が貸し出した文書を勝手に電子ファイル化し、インターネットにつながる端末に保管していたという。不適切な取り扱いというほかない。
 三菱電機は、2018年度の防衛省との契約額が3位の有力な防衛関連企業だ。国の重要な情報に関わっているという意識に欠けていたのではないか。
 三菱電機によると、不正アクセスが疑われるパソコンなどは国内外で132台に上る。中国の拠点から感染が広がり、中国系のハッカー集団の関与が指摘される。
 一部の端末では、サイバー攻撃の痕跡が残らないような操作がされていた。極めて巧妙な手口だったことがうかがえる。
 防衛省と取引のあるNECや神戸製鋼所、航空測量大手のパスコも攻撃を受けていた。現時点で防衛関連情報の流出は確認されていないが、こうした情報が狙われていたとすれば深刻だ。
 艦艇のレーダーなどの防衛装備品は、米国などと共同開発しているケースが多い。国内の防衛産業から機密が流出すれば、日本の信頼が低下する。米国などとの防衛協力にも支障が出かねない。
 防衛情報をサイバー攻撃から守る態勢を強化する必要がある。
 防衛関連企業は、セキュリティー対策がきちんと機能しているかどうか常に点検すべきだ。システムを整備し、攻撃の高度化に対処しなければならない。
 防衛省のサイバー防衛隊は、自衛隊の指揮系統や部隊運用のシステム防御を担っている。こうした知見を、民間でも活用できるよう協力することが求められる。
 官民による情報共有の仕組みを構築することも大切だ。
 米国は、ガイドラインで国防産業や重要インフラを担う企業に対してサイバー攻撃による被害を報告することを求めている。
 防衛省も情報漏えいが起きた場合に、法的な通報義務を企業に課すことを検討している。
 サイバー攻撃を受けた企業が速やかに関係機関に報告し、その情報をもとに他の企業が対策を講じれば、被害の拡大を防ぐことが可能になるだろう。


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