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読売新聞/2020/2/19 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200218-OYT1T50326/

新型肺炎/適切な診療で重症化を防げ

 新型肺炎は国内での感染が本格化する恐れがある。医療機関の適切な受診を心がけたい。
 厚生労働省が、新型肺炎が疑われる際に医療機関を受診する目安を発表した。
 37・5度以上の熱が4日以上続いた時や、強いだるさや息苦しさがある場合、保健所などに設置された「帰国者・接触者相談センター」への電話を勧めている。
 高齢者や持病のある人は、重症化する危険が高いので、4日を待たず、発熱が2日程度続いた段階での早めの相談を求めている。
 症状に応じた行動の手がかりを示した意義は大きい。
 相談センターは、患者から症状を聞き取り、治療を要する人には専門外来を紹介する。専門外来は一般には公表しない。
 2009年に新型インフルエンザが流行した際は、専門外来に多数の軽症者が殺到して、重症者の診察に支障が出た。相談センターを介した仕組みは、こうした混乱を避ける狙いがある。過去の教訓を踏まえた措置と言えよう。
 和歌山県の病院では医師や患者ら複数の人の感染が確認された。懸念されるのは、今後、新型肺炎の診療が進むにつれて院内感染が発生することである。
 患者が集まる病院はもともと感染拡大の舞台になりやすい。病院や福祉施設といった、体力の衰えている人がいる場所で感染が一気に広がれば、命を失う人が相次ぐ事態を招きかねない。
 医師や看護師が感染で欠勤すると、その地域の医療が立ち行かなくなってしまう。医療従事者には、手洗いや消毒など基本的な予防策の徹底が望まれる。
 現在は人から人への感染が始まった流行の初期段階とみられる。この時期に大切なのは、感染の機会を少しでも減らすことだ。
 宮内庁は、23日に皇居で予定していた天皇誕生日の一般参賀を中止する。3月に東京で開催される東京マラソンでも、一般ランナーの出場をとりやめる。感染拡大防止に一定の効果が期待される。
 企業も、社員の感染に備える必要がある。従業員20万人を抱えるNTTグループは、時差出勤や自宅からのテレワークを推奨する。職場によっては、テレビ会議などを活用し、働き方を工夫する余地があるのではないか。
 過剰な自粛は必要ないが、一人ひとりが無理のない範囲で、不要不急の集まりを延期したり、人混みを避けたりすることは有効だろう。社会全体で感染リスクを低下させる努力が求められよう。


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