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読売新聞/2020/1/17 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200116-OYT1T50333/

阪神大震災25年/経験を生かして備えの進化を

 6434人の命が失われた阪神大震災から17日で25年になった。復興を遂げた被災地の経験を生かし、次の災害への備えを進化させたい。
 震災当時、被災地の消防には、119番通報が殺到した。回線がパンクし、電話が通じない輻輳(ふくそう)現象が起きた。自治体は被害状況を把握できず混乱した。携帯電話は普及しておらず、市民は公衆電話に長い列を作った。
 この四半世紀で大きく変わったのは、情報通信環境だろう。今や国民の多くがスマートフォンを持つ。SNSが発達し、災害時にツイッターの投稿が救助のきっかけになったケースもある。
 新たな技術を防災に有効活用することが求められる。
 神戸市は、人工知能(AI)を利用した災害情報収集システムの導入を目指している。AIの自動対話プログラムを使って、無料通信アプリ「LINE」に登録した市民から情報を集め、土砂災害や火災の箇所を地図に表示する。
 自治体が正確な情報に基づいて被害を把握すれば、迅速な救助活動や避難誘導が可能になろう。産官学が連携して、こうした技術の開発を進めてほしい。
 阪神大震災のあった1995年は、「ボランティア元年」と称される。1年間で約138万人が駆けつけた。その後、ボランティアは様々な被災地で欠かせない存在になったと言えよう。
 当時は活動を調整する体制が整っていなかったが、現在は、各地の社会福祉協議会などがボランティアセンターを開設し、参加希望者に作業を割り振っている。
 ただ、交通費や宿泊費の負担が参加を妨げる一因になっているとの指摘がある。兵庫県は今年度、5人以上のグループに交通費などを最大20万円助成する制度を設けた。ボランティアへの参加を後押しする工夫が重要だ。
 阪神大震災は市街地を直撃した。神戸市は瓦礫(がれき)処理などの復旧費を賄うため、市債約2800億円を発行し、今春に完済する。この間、街の活力につながる事業に投資する余裕はなかった。被災都市の復興の困難さを物語る。
 日頃から災害に強い街づくりを目指すことが大切だ。再開発時に耐震改修を進めたり、緊急車両が走行できるよう道路幅を確保したりする取り組みが欠かせない。
 内閣府は昨年、耐震化や避難意識の向上により、南海トラフ地震の人的被害想定が9万人減少するとの試算を出した。減災へのたゆまぬ努力を続けねばならない。


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