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河北新報/2019/7/12 8:00
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20190712_01.html

2019参院選 原子力/「ムラ復活」への危うい兆し

 「あつまれ!げんしりょくむら」と名付けられたウェブサイトが今年4月、ネットに登場した。開設したのは、原子力に関わる企業などで組織する一般社団法人「日本原子力産業協会」。
 「ふざけすぎ」「国民をばかにしている」などと批判されてサイトは結局、閉鎖に追い込まれている。
 原子力産業協会は1956年に「日本原子力産業会議」として設立された団体で、原子力開発を積極的に後押ししてきた歴史がある。今年の年次大会では経団連名誉会長でもある今井敬会長が「これから10年程度で、原発30基ほどを稼働させる必要がある」と訴えているほどだ。
 サイトの目的について協会は「原子力に関わる若手の応援」などと説明したが、だとしてもムラを持ち出す理由はどこにもない。
 東京電力福島第1原発事故が起きて「原子力ムラ」が問題にされた。電力各社や官庁の間に広がっていた閉鎖的ななれ合い体質を指す。それが安全規制の劣化をもたらしたと、批判された。
 事故の根本的な原因を、国会事故調査委員会は「明らかに人災」と結論付けている。何度も対策を講じる機会があったのに実現しなかったのは、人や組織に根深い問題があったからだ。
 「あつまれ!げんしりょくむら」という言葉には、無神経極まりない思い上がりすら感じる。原発事故の被災者への想像力も欠落している。
 事故から8年が過ぎて、原子力ムラの仲間意識がまた芽生えてきたのだろうか。そう受け止められても仕方ない。
 原子力施設の安全審査を一手に引き受ける国の原子力規制委員会は今年4月、期限内にテロ対策を終えない原発については、運転を認めないことを決めた。既に再稼働している原発であっても、停止を求められるケースが出てくる可能性があるという。
 停止になっても電力各社の責任だろうが、これまでの規制委の対応にも問題はある。新規制基準を厳格に適用してきたとは思えないからだ。
 全国で初めて再稼働した九州電力の川内原発(鹿児島県)は、事故時の対応拠点となる「免震重要棟」建設が新規制基準合格の要件だった。だが、九電は再稼働後に建設計画を撤回し、規制委も受け入れた経緯がある。
 テロ対策でも規制委は既に一度、延長を認めている。事情を訴えれば何とか言い分を聞いてくれると電力各社が思っているとしたら、責任は規制委にもあるわけだ。
 この関係は結局、原子力ムラの時代への逆戻りではないか。反省が薄れ、教訓を忘れかけているとしたら危うい。
 二度と安全性の空洞化をもたらさないためには、政治の場での真剣な議論が欠かせない。その方向へと政治を変えるのは、有権者の投票行動しかあり得ない。


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