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読売新聞/2019/7/12 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190712-OYT1T50002/

[参院選]医療・介護/必要なサービスの見極めを

 今回の参院選では、年金制度が注目を集めているが、老後の暮らしを考えるうえで、医療や介護も重要な論点だ。
 サービスを安心して受けられる制度をどう維持するか。各党は議論を深めてほしい。
 病気になったり、介護が必要になったりした時、治療やケアを受けられる仕組みが、医療保険や介護保険だ。日本の制度は、一定の負担で手厚いサービスが担保されている点に特徴がある。
 だが、高齢化の進展に伴い、制度の持続性が危ぶまれている。
 高齢者人口がほぼピークに達する2040年には、国内総生産(GDP)に対する社会保障給付費の比率は、現在の21・5%から24%に上昇する。特に伸びが著しいのが、医療と介護の分野だ。
 必要なサービスを見極めつつ、費用の膨張は抑えなければならない。それには、メリハリのある対応が欠かせない。
 コストが高い重症者向けの病床に、症状の重くない高齢患者を受け入れている病院が少なくない。重症者向け病床を絞りつつ、退院を支える回復期向けの病床を増やすことが求められる。
 訪問介護の「生活援助サービス」は、買い物や掃除などを代行する。ただ、サービスを受ける人の中には、比較的自立した生活を送れる人もおり、「家政婦代わりに使われている」との批判がある。
 軽度な人向けの家事援助については、自治体の事業に移管していくことも検討すべきだろう。
 高齢者が抱える疾病は、糖尿病などの生活習慣病や、認知症が多い。今後、需要が増えると予想されるのは在宅でのケアだ。
 在宅医療の充実や、医療と介護の連携強化を通じて、高齢者が住み慣れた自宅などで不安を覚えずに暮らせるようにしたい。
 こうした環境を整えるには、特に介護人材の確保が重要だ。
 介護職員の給与を引き上げる、介護ロボットの導入で職員の負担を減らす、といった取り組みが大切である。介護の分野に、外国人労働者をどのように受け入れていくかも検討課題だ。
 老後の安心感を高める施策として、立憲民主党は「総合合算制度」を提案している。医療や介護などの自己負担の総額に、所得に応じた上限を設けるという。
 低所得者対策としての意味合いがあろうが、上限を超えた分の財源をどう手当てするのか。有権者に丁寧に説明してもらいたい。


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