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読売新聞/2019/6/24 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190623-OYT1T50178/

慰霊の日/沖縄の負担軽減へ対話重ねよ

 沖縄県が抱える過重な米軍基地の負担を軽減することが重要である。政府と県は対話を重ね、着実に推進すべきだ。
 太平洋戦争の沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」の23日、沖縄全戦没者追悼式が糸満市で開かれた。住民を巻き込んだ苛烈な戦禍を思い起こし、平和への願いを新たにする日である。
 安倍首相はあいさつで、「政府として基地負担の軽減に向けて、一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」と述べた。
 安倍内閣の下、北部訓練場(国頭村、東村)の4000ヘクタールの返還などが実現した。だが、日本にある米軍施設の約7割がなお、沖縄に集中している。引き続き米軍施設を整理・縮小するため、首相は指導力を発揮すべきだ。
 米軍と緊密に連携し、沖縄で行われている飛行訓練の他基地への移転も進めなければならない。
 学校や住宅地に囲まれた米軍普天間飛行場(宜野湾市)の代替施設を名護市辺野古沿岸部に建設中だ。騒音被害や事故の不安を軽減する意義は大きい。
 尖閣諸島(石垣市)周辺では、中国公船が活発に活動している。警戒を怠れない。日本の安全を守る上で、在日米軍の抑止力を維持することが不可欠だ。
 辺野古への移設計画は、危険性除去と安全保障上の要請という、双方の観点を踏まえた現実的な選択肢と言えよう。
 辺野古沿岸部では昨年12月に土砂の投入が始まり、埋め立て工事が進む。移設を阻止するため、玉城デニー県知事は様々な訴訟を検討中だ。前知事同様、法廷闘争を繰り返して国と対立を続ければ、混乱を広げるだけだろう。
 政府は、県や宜野湾市との協議を通じ、移設の意義を粘り強く訴えていくことが肝要だ。
 首相と玉城氏が意思疎通を図ることも欠かせない。危険性を除去するという共通認識に基づき、打開策を探る必要がある。
 沖縄では、米軍人・軍属が刑事事件や重大な交通事故などを起こすケースが後を絶たない。政府は米側に綱紀粛正を求め続けていかなければならない。
 沖縄県にとって、県民の暮らしの向上も大切な課題である。観光産業は好調だが、経済は総じて脆弱(ぜいじゃく)だ。1人当たりの県民所得は全国最低で、非正規雇用も多い。
 交通インフラの整備や企業の誘致、人材育成などが必要だろう。玉城氏には、政府と協力し、沖縄の未来を見据えた政策を進めることが求められる。


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