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読売新聞/2019/5/27 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190526-OYT1T50188/

日韓外相会談/文政権は事態の打開に動け

 自ら問題解決に取り組まず、日本との協議にも応じない。韓国の文在寅政権の無責任さは目に余る。政府は粘り強く対処を促さねばならない。
 河野外相がパリで、韓国の康京和外相と会談した。日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟に関し、河野氏は日韓請求権・経済協力協定に基づく仲裁委員会の設置に応じるよう求めたが、康氏は明確な回答をしなかった。
 原告側は、韓国の裁判所に日本企業の資産売却命令を申請している。企業に実害が出れば、日韓間の亀裂は決定的となろう。
 早期の解決が求められるが、韓国側の動きは鈍い。
 会談の直前、韓国の外交省報道官は「日本企業が判決を履行すれば問題ない」と公言した。日本に責任を押しつける姿勢は容認できない。河野氏が康氏に対して、「事の重大性を理解していない」と抗議したのは当然だ。
 協定は、請求権問題の「完全かつ最終的解決」を明記している。韓国の歴代政権も、元徴用工の請求権が対象に含まれると認めてきた。本来、韓国側が日本企業の不利益を回避すべきである。
 三権分立を盾に、韓国政府は、最高裁の判決を尊重せざるを得ないとの立場を繰り返し表明している。国内の司法判断を口実に、国家間の約束をないがしろにすることは許されない。
 判決が日韓間の法的基盤を毀損(きそん)していることを、文政権は十分認識すべきである。
 政府は1月、協定に基づく2国間協議を申し入れたが、韓国側が4か月以上応じなかったため、第三国を交えた仲裁委への移行に踏み切った。韓国側が応諾しないのなら、国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に入ろう。
 文大統領は、6月に大阪で開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議に出席する。河野氏はそれまでに、韓国が対応策をまとめる必要があるとの認識を示した。
 文氏は、事態を静観する不誠実な姿勢を改め、収拾策の取りまとめに向けて、指導力を発揮しなければならない。
 会談で河野氏は、韓国による日本産水産物の輸入禁止措置の早期撤廃を求めたが、康氏は解禁に慎重な考えを示した。日本側は、水産物の安全性を韓国側に引き続き説明していく必要がある。
 北朝鮮の核・ミサイル問題は膠着(こうちゃく)状態に陥っている。日韓間の懸案が、米国を含めた3か国の足並みの乱れにつながらないようにすることが重要である。


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