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読売新聞/2019/5/16 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190516-OYT1T50042/

ふるさと納税/新制度で健全な運用に努めよ

 ふるさと納税制度が新しくなる。再スタートを機に、善意の寄付で地方を元気づける本来の狙いを浸透させたい。
 ふるさと納税は、特定の自治体に寄付をすると、それに近い額が住民税などから差し引かれる仕組みだ。2008年に始まったが、豪華な返礼品で巨額の寄付を集める自治体が相次いだ。
 地方税法の改正により、6月以降は総務相が対象の自治体を指定する。返礼品は「寄付額の3割以下の地場産品」に限定される。
 今回は、大阪府泉佐野市、静岡県小山町、佐賀県みやき町、和歌山県高野町の4市町が対象から外れた。指定外の自治体に寄付をしても税の優遇は受けられない。
 4市町は、総務省の再三の自粛要請にもかかわらず、高額な返礼品の提供を続けた。制度の趣旨をゆがめたことを考えれば、除外措置はやむを得まい。
 泉佐野市は、18年度の寄付額が前年度の3・7倍の500億円近くとなった。一般会計当初予算の約516億円に迫る規模だ。
 「閉店キャンペーン」と称し、返礼品に加えてインターネット通販「アマゾン」のギフト券を贈った。金券目当ての寄付を募るのは、制度の目的を明らかに逸脱している。税収を奪われた他の自治体の不満も大きいはずだ。
 18年度に約250億円を集めた小山町は、4月の町長選で「町のイメージが悪化した」と返礼品の見直しを掲げた新人が当選した。今月、新町長が総務省を訪れて謝罪したが、指定されなかった。
 総務省が厳しい姿勢を示したことで、今後、過度な返礼品競争は沈静化するだろう。
 自治体に求められるのは地域の魅力をアピールする努力である。独自の政策や、地域作りの工夫を競い合い、賛同する寄付を呼び込む。そうした健全な仕組みに発展させることが大切になる。
 行き過ぎた返礼品競争の背景には、人口減による地方経済の疲弊や財政難があることに留意するべきだ。都市との税収格差の是正は地方の切実な願いである。
 ふるさと納税が、都市の税収を地方に振り向ける一定の効果を上げたのは事実だ。節度ある運用で有効活用していきたい。
 泉佐野市は決定に反発し、対抗措置を検討するという。特産品を持たない自治体の不満もくすぶる。東京都は制度自体に批判的で、指定を希望しなかった。
 総務省には、自治体との意見交換を密にして、さらに制度を改善していくことが求められよう。


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