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西日本新聞/2019/5/14 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/509866

幼保無償/保育の「質」を守れるのか

 若い世代の子育てや教育の負担を軽くすることに異存はないが、多くの課題が積み残されたと言わざるを得ない。
 幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法が国会で成立した。消費税率が引き上げられる10月、増収分を財源にスタートする。対象者は年300万人とされる。
 認可保育所や幼稚園、認定こども園では、3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は低所得世帯の利用料が無償となる。
 一方、認可外保育所などの3~5歳児は月3万7千円、低所得世帯の0~2歳児は月4万2千円を上限に補助を行う。国の基準を満たす必要があるが、5年間の猶予が認められた。
 膨大な待機児童が存在する現状を踏まえれば、認可外保育所などへの補助は妥当と言えよう。ただ、認可外の方が重大事故が目立つとの厚生労働省の調査結果もある。安全性の確保は、子どもを預ける際の絶対条件だ。政府は早急に安全強化策の具体案を示す必要があろう。
 厚労省によると、昨年4月時点の待機児童数は約2万人だった。受け皿整備と少子化で4年ぶりに改善したとはいえ、深刻な状況に変わりはない。統計に表れない「隠れ待機児童」も多いとされる。このため私たちは社説で、まずは待機児童の解消を急げと主張してきた。
 今後、無償化が保育の需要を掘り起こす可能性もある。共同通信が熊本市など政令市や福岡県大野城市など待機児童が多い全国75自治体にアンケートを行ったところ、無償化による事態の深刻化を予測した自治体は半数を超えた。地域の保育ニーズをきめ細かく把握しながら、受け皿整備を急ぐことが肝要だ。
 保育士不足への対応も喫緊の課題だ。十分な人数の保育士を確保できず、定員まで受け入れられない保育所もある。保育士の平均年収は全産業平均を大幅に下回る。国は待遇改善に本気で取り組むべきだ。
 この無償化には、中高所得者ほど「恩恵」が大きいという問題もある。低所得者層への保育料減免措置などが既にあるためだ。財源の消費税は国民が等しく負担する。公平感に欠けるとの批判が出るのは当然だろう。
 高齢者偏重とされる社会保障を全世代型に変える方向性は納得できる。幼保無償化はその一環だが、制度設計は十分熟しているとは言えない。
 厚労省が昨年改定した保育所保育指針は、子どもの「養護」とともに、人格形成の基礎を培う「教育」の役割も強調している。こうした保育の「質」を、守り高めていくための環境づくりは道半ばである。政府はそれを肝に銘じる必要がある。


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