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中國新聞/2019/4/22 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=524488&comment_sub_id=0&category_id=142

「殺人ロボ兵器」規制/現実の脅威となる前に

 人間の指示を待たず、人工知能(AI)が自ら考え、敵を見つけて襲いかかる。そんな殺人ロボット兵器の登場が現実味を帯びつつある。
 これまでは無人爆撃機であっても、遠隔地から人間が指図していた。人が介在するか否かは決定的な違いだろう。戦局の形勢はお構いなしに、ロボットが見分けた「敵」の殺傷を最大の目標に攻撃を続ける…。想像しただけで、底知れぬ不気味さにおぞけを震う。
 味方の兵士を失うリスクが減るため、戦争のハードルが下がる懸念も拭い切れない。まだ開発段階の今こそ、歯止めをかけ、規制する国際的な流れを強めなければならない。
 殺人ロボット兵器としては、自動運転で攻撃する戦車や自動認識で襲いかかる小型無人機ドローンが想定されているようだ。米国や中国、ロシア、韓国などが、水面下で開発にしのぎを削る。完成させた国こそ、まだ存在しないとされるが、日進月歩のAI技術を考えれば、いつ登場してもおかしくない。
 米中ロなど各国が開発を競うのには理由がある。兵力を温存しつつ、効率的に攻撃でき、戦局を有利に進められるからだ。人的ミスによる誤爆を防ぎ、過剰な攻撃も食い止められるとの主張さえある。
 本当にそうだろうか。AIにしても、プログラムの欠陥やハッキング(乗っ取り)で暴走しないとも限らない。味方や戦闘員ではない市民を「敵」と見なし、無差別に殺傷する事態が起きれば悪夢である。不利な戦局を打開しようと、人間なら考えないような残忍な攻撃を仕掛ける恐れも否定できない。
 にもかかわらず、規制に向けた動きは停滞している。
 規制を巡る国際的な議論は6年前、対人地雷などを禁止してきた特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みで始まった。しかし、開発国と禁止を求める国との溝は埋まらず、殺人ロボット兵器の定義すら、いまだに合意できていない。
 これまで日本政府は、AIの技術革新を阻害するとして規制に消極的な立場だった。だが、議論の行き詰まりに危機感が募ったのだろう。先月末にスイスであったCCW加盟国の会議に先立って、「人間による制御を確保すべきだ」との見解を初めて示し、国際ルール作りを主導する考えを表明した。
 ただ、日本の主張は中途半端と言わざるを得ない。殺人ロボット兵器は「開発しない」と明言したものの、自衛隊員の確保難を見越し、AI活用の防衛装備は開発・配備する方針を示した。「平和利用を妨げてはならない」とも強調する。
 これでは、他国からの支持が広がるはずもない。禁止条約の制定を求める中南米やアフリカの諸国からすれば、日本も自国の利益を最優先しているように映るのではないか。案の定、ルール作りの議論で主導権を握れないままでいる。
 今の状況が続けば、無秩序なまま、殺人ロボット兵器が現実の脅威となりかねない。完成してしまえば、核兵器のように保有国が既得権を主張し、手放させるのは極めて困難になろう。
 日本は、禁止条約の制定を求めている諸国と連携を強め、開発国にブレーキをかける先頭に立つべきである。


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