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中國新聞/2019/4/19 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=523659&comment_sub_id=0&category_id=142

広島県の宿泊税検討/慎重に影響見極めねば

 ホテルや旅館に宿泊した人に課税する「宿泊税」について、広島県の湯崎英彦知事が導入の検討を始める考えを表明した。
 外国人観光客の急増を受けて、全国の自治体でも導入や検討の動きが広がっている。来年の東京五輪・パラリンピックを見越し、なるべく早く徴収を始めたい思惑もあるようだ。
 とはいえ、導入の目的や使い道をしっかり突き詰めておく必要があろう。そうでなければ、負担する観光客はもちろん、宿泊業者の理解も得られまい。県内では宿泊客数が伸び悩んでいる現状も踏まえ、安易な導入は避けるべきだ。
 宿泊税は、特定の目的で自治体が独自に課税する「法定外目的税」である。東京都が2002年に初めて導入した後、17年に大阪府、昨年は京都市、今月からは金沢市が相次いで導入した。福岡県や沖縄県なども検討を進め、中国地方では松江市が議論を始めた。
 京都市は、外国人宿泊客がここ数年で3倍の300万人に膨らんだ。路線バスが満員で乗れないなど市民生活にも支障が出ている。市は「観光公害」を解消しようと、税収を交通対策などに充てる方針だ。目的は明確と言えよう。
 広島県は、官民でつくる県観光立県推進会議が近くまとめる提言を受け、検討を進める。提言案では、目的は外国人観光客の受け入れ態勢の充実などとしている。具体的な使い道には、公衆無線LANや交通機関の多言語表示の整備を挙げる。
 観光客に快適に過ごしてもらうことは大事に違いないが、新たな税まで必要なのだろうか。
 国が1月に徴収を始めた国際観光旅客税(出国税)の使い道とも似通う部分がある。整合性を問われかねない。
 広島県の近年の観光客数は過去最多を更新し続けているが、宿泊客数や1人当たりの観光消費額は横ばいである。いかに県内に泊まってもらうかが課題だ。課税することで、宿泊客が減るなら元も子もない。
 先行する京都市などでは、支払いを拒否された宿泊税を施設側が肩代わりしたり、宿泊客が市外に流出したりするケースが出ているようだ。見直しを求める署名活動も起きている。
 福岡では、県と福岡市がそれぞれ課税を検討し、対立している。県内の宿泊施設の6割を占める市が自らへの配分額が少なくなることを懸念したためだ。
 広島でも県内の6割の宿泊施設が広島市に集中する。観光インフラが乏しい他の市町との配分は焦点になる。廿日市市は環境保全などを目的に宮島への入島税を長年検討しており、調整は欠かせない。宿泊業者も含め、幅広い合意形成が必要だ。
 さらに、被爆地だからこそ広島を訪れる人が大勢いるという事実も忘れてはならない。核兵器の恐ろしさを伝えるため内外に訪問を呼びかける一方で、新たな負担を求める姿勢が適切なのか。それでも課税を考えるなら、平和への思いを深めてもらう施策に限定して一定の税収を使うことも検討に値しよう。
 湯崎知事は、まだ正式な提言も出ていないのに「丁寧に、スピード感を持って検討する必要がある」と発言している。少し前のめり過ぎないか。新税が及ぼす影響を慎重に見極めなければならない。


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