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中國新聞/2019/4/18 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=523355&comment_sub_id=0&category_id=142

日米新貿易交渉/国内農業を犠牲にするな

 米ワシントンで開かれていた日米の新たな貿易交渉の初会合が終了した。まずは農産物や自動車などの工業製品の関税分野について本格協議に入った。
 ただ日本側が今回決めたかった交渉の対象範囲を巡って、折り合うことができなかった。交渉の入り口に当たる部分で合意できなかったことは、今後の交渉の厳しさを暗示しているように感じる。
 米国は初会合で、巨額に上る対日貿易赤字に強い不満を表明した。その赤字の削減を最優先課題と位置づける姿勢を鮮明にした。とりわけ農産物の輸出を拡大できるよう、日本に強く求めたようだ。関税協議では、牛肉と豚肉を最優先し、早期妥結に意欲を見せているという。
 来年の大統領選で再選を目指すトランプ大統領にとって、基盤である農業団体の支持を固めることが欠かせない。何としてもアピールできる成果の獲得を急ぎたいとの思惑が透ける。
 貿易交渉は今月下旬に開催される日米首脳会談でも取り上げられることになった。安倍晋三首相をはじめ日本政府には慎重な対応が求められるのはもちろん、安易な妥協は許されない。
 米国側が農産物にこだわる背景には、環太平洋連携協定(TPP)が昨年末に発効したことがある。離脱した米国は関税引き下げの恩恵を受けられないまま日本市場で急速にシェアを失っている。
 今年2月には日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)も発効し、チーズやワイン、パスタなど欧州産のブランド力の高い農産品で自由化が進み、存在感を高めつつある。
 手をこまねいていては日本市場で競争力をさらに低下させかねない—。米国側に焦りがあるのは間違いなかろう。そうした状況を交渉に生かすしたたかな戦略も日本側には求められる。
 関税引き下げを巡る協議は、日米両国がかつて合意したTPPの水準を土台とする見通しになった。日本側の主張に、米側もとりあえずは反対しなかったらしい。
 ただ農産物についてTPPと同じ水準の市場開放を米国に認めれば、国内農業への打撃は増幅するのは確実だ。
 日本側は、貿易交渉の最大の焦点である自動車を含めて包括的に関税交渉を進める構えでいるという。基幹産業である自動車の分野に注意を払わなければならないのは当然である。だが、それと引き換えに国内農業に犠牲を強いるようなことがあってはならないはずだ。
 そもそもTPP自体も参加すべきかどうかを巡って国内世論が割れていたことを忘れてはなるまい。貿易の自由化に伴う「負」の影響について議論が尽くされたとは言い難い。地域農業の衰退化や農村の空洞化などについても検証し、必要な政策を打ち出すことが大切である。
 政府は対米貿易交渉の範囲を物品に限定すると説明してきた。にもかかわらず、初会合では電子商取引などデジタル貿易も交渉対象とすることで一致したという。モノ以外のサービス分野に対象が広がった。
 交渉範囲を確定できなかったことで、米国側がなし崩し的に要求を強める懸念も拭いきれない。どんなに強硬でも、政府は公正で自由な貿易の原則を踏み外してはならない。


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