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中國新聞/2019/4/17 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=522975&comment_sub_id=0&category_id=142

使用済み核燃料搬出/廃炉への道まだ見えぬ

 東京電力はおととい、福島第1原発3号機にある使用済み核燃料の貯蔵プールから核燃料の取り出しを始めた。国内の原子力災害では最悪の事故で炉心溶融(メルトダウン)を起こした1〜3号機のプールからの核燃料搬出にやっとこぎ着けた。
 当初予定より4年4カ月も遅くなった。今後待ち受ける作業の困難さをあらためて見せつけたと言えよう。
 使用済みとはいえ、長い年月にわたり熱と強い放射線を出す。プールに保管すれば熱や強い放射線は水で遮られるものの、プールのある建物は地震と事故でかなり損傷している。再び大きな地震が来て、建物が壊れたりプールの水がなくなったりすれば、核燃料が溶融する恐れもある。安全性を確保しながら搬出を急ぐことが必要だ。
 1〜3号機のプールには未使用も含め核燃料が1573体ある。うち566体が今回の3号機で保管されており、今後2年ほどかけて搬出を終える計画という。急がねばならないのに、さらに時間がかかりそうだ。
 当初は2014年末を目標としていた搬出開始が、関連装置のトラブルが相次ぐなどで何度もずれ込んだ。スタートしたからといって計画通り進むのか、予断は許さない。
 プール周辺は人が近づけないほど放射線量が高く、遠隔操作での作業になる。思うように進むと考えること自体、虫が良すぎるのかもしれない。それでも搬出を急ぐあまり、作業がおろそかになってはならない。
 残る1、2号機については、搬出開始はさらに遅い23年度をめどとしている。3号機の作業を通じてノウハウや知見を蓄積して、それを生かすことが不可欠である。
 取り出した後も厄介だ。政府は、使用済み核燃料は再処理する考えだが、プルトニウムがたまり続け、国際社会から軍事転用を疑う厳しい目が向けられている。再処理は通常の原発で使う量に限定する—。原子力委員会が昨年、そんな削減案をまとめたのは当然だろう。
 再処理で出る高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定も進みそうにない。にもかかわらず政府は、青森県六ケ所村の再処理工場の稼働を諦めようとはしていない。現実をきちんと直視することが求められる。
 使用済み核燃料でも、これだけ多くの課題がある。しかし事故処理で最も困難な壁は、1〜3号機の溶融核燃料(デブリ)の取り出しである。それが緒に就かないのだから、廃炉への道筋が見えるはずもない。
 デブリの量は1〜3号機で880トンに上ると推定されている。しかし、どこにどのくらい、どういう状態で存在しているのか、事故から8年過ぎた今なおよく分かっていない。
 プールに貯蔵された使用済み核燃料の取り出しに比べ、はるかに困難な作業を強いられるのは確実だ。政府は30〜40年で廃炉を終える計画だが、予定通り実現できるとは到底思えない。
 安倍晋三首相は先日、防護服を着ずにスーツ姿で福島第1原発を視察した。5年7カ月ぶりの訪問で着実な復興ぶりをアピールしたかったようだ。
 しかし廃炉の先行きは不確かで、パフォーマンスどころではない。もっと自覚して、国民に説明すべきではないか。


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