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読売新聞/2019/4/16 6:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190415-OYT1T50159/

日中経済対話/実利積み上げ関係改善進めよ

 広範な分野で協力の実績を積み重ね、互恵関係を新たな段階に押し上げることが重要である。
 日中両国によるハイレベル経済対話が北京で開かれた。貿易・投資を促進し、経済関係を強化する。閣僚間でそう確認した意義は小さくない。
 経済対話は、昨年4月の再開まで、約8年間中断していた。
 2012年の尖閣諸島の国有化に中国が反発したのが主因だ。国内総生産(GDP)で日本を抜き、自国経済への自信を深めたことも背景にあったとみられる。
 昨年来、米国との貿易摩擦が激化し、経済が減速する中、日本の重要性を再認識したのだろう。
 大切なのは、双方が実利を得られる案件に取り組み、具体的な成果を生み出すことだ。
 日中両政府は、BSE(牛海綿状脳症)の発生を受けて停止されている日本産牛肉の輸出の再開に向けて、協定の締結を目指すことで実質合意した。当局間で詰めの協議を急いでもらいたい。
 観光の振興や省エネ分野などでの協力の強化に努めなければならない。輸出入の拡大に向けた環境の整備も求められる。
 経済対話では、中国が外国企業に対して技術移転を強制し、知的財産を侵害している問題も議論となった。河野外相は、日本企業が投資や協力に二の足を踏む要因になっていると指摘した。
 公正な市場を形成し、国際ルールを順守することが、中国の持続的な発展に欠かせない。日本は、中国政府に対し、粘り強くそう説き続けねばならない。
 中国側は、巨大経済圏構想「一帯一路」への日本の積極的な参加を求めた。構想に基づくインフラ整備で、途上国が過剰な債務に苦しむ事態も生じている。
 日本は、事業の透明性や相手国の財政の健全性に配慮した案件に絞って、中国との協力の可能性を探ることが肝要である。
 対話に続き、河野氏は王毅国務委員兼外相と個別に会談し、6月の習近平国家主席の来日に向けて調整を急ぐことを確認した。首脳間の信頼を一層深めるべきだ。
 長期的な関係構築には、東シナ海の安定が欠かせない。習政権は、尖閣諸島周辺での挑発行為を自制するとともに、ガス田共同開発の交渉に応じる必要がある。
 会談で河野氏は、北朝鮮の核問題に関し、国際社会による圧力維持の必要性を強調した。中国は、国連安全保障理事会の制裁決議を履行し、対北包囲網の「抜け穴」にならないようにすべきだ。


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