main menu
サイト内検索
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録
OpenIDログイン

OpenIDを入力

mixi Yahoo! JAPAN Google BIGLOBE はてな livedoor エキサイト docomo ID

ツッCOM

切り抜き詳細

中國新聞/2019/4/14 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=522110&comment_sub_id=0&category_id=142

水産物の禁輸容認/安全性の説明、粘り強く

 東京電力福島第1原発事故後、韓国が福島、岩手など8県で取れた水産物の輸入を禁止している問題で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理上級委員会が韓国の措置を容認する最終的な判決を下した。
 一審では、輸入禁止は不当だとする日本の主張を認めて韓国に是正を勧告していたが、逆転敗訴となった。安全性確保に向けた産地や漁業者の懸命な努力を思えば、大変残念な判決といえる。
 原発事故から8年たってもなお、韓国を含む23の国と地域が日本産食品の輸入規制を続けている。今回の判決をきっかけに、再び被災地や日本の食品に対する風評被害が強まることが懸念される。徐々に進みつつあった規制緩和の動きに水を差しかねないか心配だ。
 日本政府には、国産食品の安全性について科学的、客観的なデータを示し、これまで以上に丁寧な説明が求められる。被災地漁業の復興を成し遂げるためにも、粘り強く国際社会に冷静な対応を呼び掛けていきたい。
 韓国は2013年、福島第1原発の事故を理由に水産物の輸入規制を強化した。これに対し、日本は「科学的な根拠がない」としてWTOに提訴した。
 一審に当たる紛争処理小委員会は昨年2月、「必要以上に貿易制限的で不当な差別だ」と禁輸措置の解除などを促したが、韓国は上訴していた。
 今回の判決で、上級委員会が問題視したのは小委員会の手続きだった。放射性物質を巡る韓国の主張に対する分析と議論が十分でなかったなどとし、小委員会の判断を破棄した。
 一方で、小委員会が認めていた日本の水産物の科学的な安全性は覆したわけではない。それなら禁輸措置をなぜ問題視しないのか、理解に苦しむ。
 加えて韓国による禁輸がWTOのルールに整合しているかどうかの判断も示していない。両国の立場を立てる「玉虫色」の判決ではないか。これではWTOに本来求められる紛争解決の機能を果たしたとは言えまい。
 日本政府には「今回の結果は予想外」との受け止めが強いようだが、対応が十分だったのかも検証しなければならない。
 いずれにしても、WTOでの勝訴を材料に各国に禁輸解除を求め、農水産物の輸出拡大を図っていく日本政府の戦略は転換を迫られることになる。
 食の安全に対する国際社会の視線は依然厳しいと受け止めなければならない。規制を緩和しようとした台湾では昨年11月、国民投票で禁輸継続を決めた。
 原発事故がもたらした負のイメージは簡単に拭えるものではない。東電も政府も、深刻な被害が8年たった今も続いていることをしっかりと認識するべきだ。海外対応も見直さなければなるまい。
 日本も振り返って反省すべき点はある。福島など被災地の農水産物が敬遠されるケースはまだ多いという。外国に禁輸の解除を求めるなら、まず国内の風評から払拭(ふっしょく)していくのが筋だ。
 世界的にも、日本は食品の放射性物質の基準値を厳しく設定している。福島県もより厳格なチェックで食品の安全を確保している。政府は、そうした検査の体制や結果を地道に発信し、国内外に理解者を増やしていくよう努力すべきだ。


コメント一覧


 

 

©太陽と風と水, 2011/ info@3coco.org  本サイトについて