main menu
サイト内検索
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録
OpenIDログイン

OpenIDを入力

mixi Yahoo! JAPAN Google BIGLOBE はてな livedoor エキサイト docomo ID

ツッCOM

切り抜き詳細

中國新聞/2019/4/13 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=521857&comment_sub_id=0&category_id=142

経団連の提言/原発回帰、理解得られぬ

 電力インフラの底上げが必要という危機感は分からなくはない。しかし原発再稼働に前のめりな姿勢は理解できない。
 経団連が電力政策に関する提言を公表した。再生可能エネルギーを増やすため不可欠な送配電網の整備や、停滞する投資を促す仕組みづくりを求める一方、原発については再稼働・新増設推進や、最長60年の運転期間延長の検討を提案している。
 安全性確保や住民の理解が前提だというのは当然である。しかし原発回帰を目指す考えは国民には到底受け入れられまい。東京電力福島第1原発事故で、国民の多くは原発への不安や電力会社への不信感を募らせている。8年過ぎたとはいえ消え去ってはいない。
 提言には、うなずける指摘もある。例えば現状の問題点として石炭など化石燃料への依存度の高さを挙げている点だ。2016年の実績で国内の発電量の84%を火力が占めている。対策が急がれる地球温暖化防止に逆行していることは否定できない。国際社会から厳しい批判を浴びるのも無理はなかろう。
 電源を分散させることも求められる。過度に集中させると災害が多発する日本では心もとない。昨年9月、北海道で起きた地震による全域停電(ブラックアウト)で得た教訓のはずだ。忘れるわけにはいかない。
 老朽化しつつある送電設備の更新・次世代化や、需給調整や制御なども含めた電力システム自体の高性能化、蓄電池の開発なども不可欠である。
 そうした重要な提案を盛り込んでいるだけに、原発回帰に踏み込んだ部分は突出しているとしか思えない。火力を減らそうという温暖化防止の追い風に乗って、再稼働を進めたいとの思惑が透けて見えそうだ。
 経団連の中西宏明会長は、原子炉メーカーの日立製作所の会長でもある。日立は昨年末、政府と官民一体で進めていた原発輸出で、英国での建設計画を凍結した。事故の影響による安全対策強化で事業費が3兆円規模まで膨らみ、資金確保や採算が見通せなくなったためだ。海外での原発計画について中西氏は「民間の投資対象として難しくなった」と述べていた。
 1月には国内の原発について「再稼働をどんどんやるべきだ」とぶち上げた。一方で「国民が反対するものは造れない」「国民的議論が必要」とも述べた。なのに小泉純一郎元首相を顧問とする原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟から求められた公開討論会には応じていない。
 その理由を会見で問われ「エモーショナル(感情的)な反対をする人たちと議論をしても意味がない」と答えていた。自ら提案した国民的な議論から逃げているとしか見えない。立場を利用して原発関連産業を守ろうとしているのではないか、そんな疑念を抱かざるを得ない。
 原発の議論を避けているのは政府も同じだ。昨年閣議決定したエネルギー基本計画では、可能な限り依存度を低減するとした。国民の不安や国際社会の流れに沿った判断と言えよう。
 しかし実際は再稼働を進めている。野党が昨年提出した原発ゼロ基本法案もたなざらしにしたままだ。いつまで場当たり的な対応でごまかすのか。政府こそ、脱原発に向けた国民的論議の先頭に立つべきである。


コメント一覧


 

 

©太陽と風と水, 2011/ info@3coco.org  本サイトについて