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産經新聞/2019/1/12 6:00
https://www.sankei.com/column/news/190112/clm1901120001-n1.html

習氏の台湾演説/一国二制度を誰が信じる

 中国の主権下で、社会主義とは異なる制度の存続と高度な自治を保障する。このような「一国二制度」の約束を誰が信じるだろうか。
 中国の習近平国家主席が年頭に当たり、初めて台湾政策について演説した。香港、マカオで実施した一国二制度を、「平和統一」と併せて台湾に迫る方針を強調した。
 台湾の蔡英文総統は海外メディアとの会見で、「台湾の絶対多数の民意」を理由に受け入れを拒絶した。民主政治の指導者として自然な反応である。
 一国二制度の下でも、香港の言論の自由は中国の圧力により踏みにじられてきた。若者らが民主化を求めた2014年の「雨傘運動」後、中国支配を示す「一国」だけが強調されている。
 香港の若者の51%が海外移住を望んでいる。こうした惨状を目の当たりにして、台湾の人々が習氏の要求を自ら受け入れることは考えられない。
 中国が掲げる「一つの中国」の原則に沿わない事象は香港で徹底排除された。この姿勢は、民主進歩党(民進党)政権下の台湾との対話拒絶に通じる。
 蔡氏は会見で、「中国の民主体制の欠落」を批判した。自由や民主主義という普遍的価値観を中国共産党政権と共有することは土台無理な話である。
 台湾では約1年後に総統選挙がある。昨年11月の統一地方選で民進党は大敗し、蔡氏は兼務していた同党主席を辞任した。中国が両岸関係で歩調の合う台湾党派の政権返り咲きを狙い、圧力と介入を強めることは確実だろう。
 習氏は演説で、台湾への武力行使を放棄しない方針を表明した。4日の中央軍事委員会における演説では、着実な「軍事闘争の準備」を軍首脳部に命じた。
 意に沿わない相手を力ずくでねじ伏せる意図があからさまだ。
 台湾海峡の現状を力で変更する試みは絶対に許されない。中国の動向を警戒する必要がある。
 台湾関係法により台湾防衛の意志を示す米国は、台湾への兵器売却促進などを盛り込んだ新法を成立させた。自民党の河井克行総裁外交特別補佐は8日、ワシントンでの講演でトランプ政権の台湾政策支持を表明した。安倍晋三政権の方針を伝えたもので妥当だ。日米同盟は台湾海峡の平和にも寄与しなければならない。


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