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河北新報/2019/1/11 8:00
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20190111_01.html

勤労統計問題/重要な統計を軽視している

 厚生労働省が都道府県を通じて毎月行っている勤労統計調査で、不適切な調査が長期間行われていた問題が浮上した。失業給付や労災の休業補償の算定に使われる国の基幹統計の重大な誤りであり、多方面に影響が及んでいる。
 データを修正するコンピューターの改変ソフトを作成していた疑惑が指摘された一方で、何らの統計上の処理はしていなかったという情報もある。詳細はなお不明だが、いずれにしろ厚労省によるデータ偽装と言うほかはなく、徹底した調査と一刻も早い結果の公表が必要だ。
 厚労省はこれまでもずさんな統計調査が問題になってきた。昨年の国会では、働き方改革関連法の裁量労働制を巡って、労働時間の不適切な調査データが批判を浴びたばかりだ。障害者雇用率の調査に関してはチェック機能の不十分さが指摘されている。
 賃金や労働時間などの動向を把握する厚労省の勤労調査は、都道府県を通じ、従業員5人以上の企業を対象に、499人までの事業所は抽出して調査。500人以上の規模は、全部の事業所を調べるルールになっている。
 問題が明るみに出たのは東京都で、調査対象の約1400事業所のうち、実際は3分の1に当たる約500の事業所だけを調べていた。全数調査ではなく、3分の1の抽出調査であっても統計上の有意な差は出ないと考えたとしたなら、勤労統計の重要性を軽視している。
 統計法で国の基幹統計と位置付けられる勤労統計は、各種の給付のほか、内閣府の景気動向指数などに幅広く活用されている。すでに雇用保険の失業給付などで数百億円に上る過少給付があった可能性が指摘されている。
 東京都の場合、賃金が比較的高い大企業が調査対象から漏れ、実態よりも低い賃金が集計された結果、過少給付につながったとみられる。給付額を抑えるために調査対象を選別していたのかと疑われても仕方がない。
 問題の背景として省庁の統計部門の人手不足を指摘する見方がある。そうした一面は否定できまいが、問題なのはむしろ業務に当たる担当者の職業倫理ではないか。さらには、ずさんなミスが相次いで発覚する厚労省の体質に何らかの根深い問題が潜んでいるようにも見える。
 政府は2019年度の予算を組み替える検討を始めるなど、かつてない異例の対応に追われている。統計の誤りによる過少給付などの影響額は今後さらに増えるとみられ、早急に他省庁も含めて総額を精査するという。
 国の省庁による統計数字という高度の正確性が求められる重要な業務で、04年から15年間、ずさんな仕事がまかり通っていた。まずは経緯を詳細に明らかにし、失った信頼の回復に全力を尽くしてもらわなければならない。


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