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北海道新聞/2019/1/4 6:00
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/263921?rct=c_editorial

「新時代」への指針《3》/北海道を再生エネ基地に

 「平成」の終わりに「日本の電力業界ではあり得ない」はずの事態が北海道で起きた。
 昨年9月6日未明、胆振東部地震に伴って発生した全域停電「ブラックアウト」である。
 道内の使用電力の約半分を供給していた北海道電力苫東厚真火力発電所が停止し、電力需給のバランスが崩れたのが原因だった。
 浮き彫りになったのは、大型電源に過度に依存してきた北電の経営体質と、その北電の地域独占を前提とする供給体制の限界だ。
 道内は風力や太陽光などの再生可能エネルギーに恵まれ、すでに十分な発電容量を有している。
 にもかかわらず、技術的な制約もあって、今回の停電時には全く役立たなかった。
 この矛盾をいかに解消するかが未来を切り開くヒントになる。
 国のエネルギー基本計画は、再生エネを「主力電源化」する目標を明記している。北海道が率先して電力供給システムをつくり替え、新時代の主役を担いたい。
■電源一極集中の限界
 広大で人口密度の低い北海道で供給責任を負う北電は、コスト効率最優先の経営を行ってきた。
 その象徴が、大型電源への一極集中である。東日本大震災の発生前は、泊原子力発電所に年間発電量の4割を頼っていた。泊原発の運転停止後に主力電源に据えたのが苫東厚真火発だった。
 ブラックアウトはさまざまな悪条件が重なった結果―と北電は弁解するが、常にその危険と背中合わせだったことは否定できまい。
 コスト優先の姿勢は、燃料費の安い石炭火発への依存度の高さにも表れた。苫東厚真火発や奈井江火発、地震発生時に待機中だった砂川火発の燃料も石炭である。
 起動に時間がかかる石炭火発は本来、バックアップには不向きで、ブラックアウトを防げなかった原因の一つとの指摘もある。二酸化炭素を大量排出するため、国際社会の批判も強まる一方だ。
 無理を重ねて発電コストを切り詰めても、地方の過疎化が送電の効率悪化とコスト膨張を招き、やがて採算を圧迫するだろう。ここは発想を切り替える時である。
■原発への固執は疑問
 国は来年、北電など大手電力会社の発電部門と送配電部門を分社化する「発送電分離」を実施する。大手と新電力が平等な条件で地域の送電インフラに接続できるようにする狙いである。
 北海道はこれを機に、各地の豊富な再生エネを「地産地消」し、余剰電力を他の地域と融通し合う分散型供給システムの構築に官民挙げて取り組むべきだ。
 国際エネルギー機関(IEA)は、昨年11月に公表した「世界エネルギー展望」で、40年の総発電量に占める再生エネの割合が40%超に達するとの見通しを示した。
 再生エネを次の発電の主役と考えるのが、世界的な潮流である。それなのに国は、原発を「重要な基幹電源」と位置付けたままだ。北電も泊原発再稼働を前提とした経営を変えようとしない。
 福島での過酷事故を契機に巨額の安全投資を求められるようになった原発は、もはや経済性のある電源とは言いがたい。
 再生エネに積極対応することが道民生活のみならず北電の経営にもプラスに働くのではないか。
■潜在力フルに発揮を
 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、日本は50年に温室効果ガスを80%削減する目標を掲げている。
 陸上風力の「導入可能量」が全国の53%を占め、太陽光、地熱、バイオマスの伸びしろもある北海道の果たすべき役割は大きい。
 一方で現在の道内は、天候による出力変動を補う調整電源や送電網の容量が小さく、大量の再生エネを受け入れることができない。
 まずは北海道―本州間の送電線「北本連系線」を大幅に増強し、広域的に需給調整できる仕組みづくりを国に求めたい。
 道内送電網の脆弱(ぜいじゃく)さを克服するには、技術革新も欠かせない。
 風力発電最大手のユーラスエナジーホールディングスが出資する北海道北部風力送電が22年度末の稼働を目指し、宗谷管内豊富町で建設を進める世界最大級の蓄電池施設はその一つだろう。
 福島県のベンチャー企業、会津ラボは、家庭などのコンセントに差し込むとインターネット上で電力使用状況を把握できる「スマートプラグ」を開発した。
 今後は仮想通貨の取引で利用されるブロックチェーン技術を応用し、各家庭の需要に応じて電力を供給する仕組みを目指すという。
 出力の変動を蓄電池でならし、情報通信技術を駆使してリアルタイムで需給を最適化できれば、安くて使いやすい再生エネの拠点になれる。次の30年で、北海道の潜在力をフルに発揮すべきである。


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