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西日本新聞/2018/11/9 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/464200

入管法改正/「多文化共生」の視座こそ

 外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案の国会審議が早くも紛糾の様相を見せている。制度設計のあいまいさが多方面から指摘され、審議入りは来週以降にずれ込んだ。
 そこで改めて指摘したい。この法案を「人手不足の解消」という単純な物差しで捉えてはならない。新たに数十万人規模で外国人を迎え、永住も認めることを想定した法改正が日本社会に及ぼす影響は大きい。それを「移民政策ではない」と言い張る政府の姿勢にも無理がある。
 少子高齢化にあえぐ日本が多くの外国人の力を借りて持続的な発展を目指すのであれば、彼らを平等な生活者として支える仕組みも不可欠だ。国籍や人種による差別を排した「多文化共生」の視座である。その大局を見据えた議論が求められる。
 法改正で新設される「特定技能」という在留資格は、その言葉自体にまやかしがある。あたかも特別な人材であるかのようだが、実際は一定の日本語力と知識があって日本での労働に支障がないレベルを指すようだ。
 政府が「単純労働者は受け入れない」としてきた建前を取り繕うための表現だろう。加えて受け入れ分野、規模、審査方法が不明確とあっては「拙速」の批判を浴びるのも当然だ。
 政府は雇用情勢に応じた受け入れ停止措置や、永住が可能となる業種の絞り込み、資格審査の厳格化、外国人が母国で扶養する家族を公的医療保険制度の適用対象外とする方針などを示している。これらにより、なし崩し的な受け入れはしない、というアピールのようだが、いずれも生煮えの印象が拭えない。
 他方、外国人から見ればどうか。異国で不安なく働くには安定した身分、賃金、社会保障が必要だ。差別的な待遇で、制度の仕組みが不安定であれば、日本は敬遠されかねない。形骸化した既存の技能実習制度の見直しも含め、しっかりとした受け入れ体制を整えるべきである。
 産業界が法改正を歓迎する中で、低賃金労働の固定化、日本人の就職難、地方自治体の混乱などを懸念する声もある。詳細な仕組みが省令で定められるため、政府の裁量が幅を利かし、不透明な運用が横行しないか。また今後、東南アジアなどで経済発展が進んだ時でも労働力は確保できるのか。詰めるべき論点は多岐にわたる。
 人手不足の現場は九州でも広がる一方、7県に住む外国人は年々増え、12万6千人(今年1月1日現在、住民登録数)に達している。国会には熟議を求めるとともに、私たちも外国人と暮らす当事者として議論に参画し、法改正の在り方を考えていきたい。


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