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北海道新聞/2018/10/11 6:00
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/236774?rct=c_editorial

就活新ルール/学生本位の議論重ねて

 経団連は、大手企業の採用活動に関する指針を、2021年春入社の学生の就活から廃止することを正式に決めた。
 今後、政府主導で新たなルールを設け、企業に協力を求める。
 政府は、21年春入社については現行日程を維持する方向だが、22年以降は未定だ。
 現在の大学1年生から未知の新ルールで就活することになり、その不安は計り知れないだろう。
 これまで指針は朝令暮改的に変更され、大学生活に大きな影響を及ぼしてきた。形骸化したとはいえ、就活の前倒しに対し、一定の歯止めとなってきたと言える。
 にもかかわらず、大学側や中小企業の反対に加え、経団連内部の慎重な意見も顧みず、一気に廃止の決定に至ったことは拙速のそしりを免れまい。
 新ルールづくりに当たっては、大企業の都合ではなく、学業に支障を来さないように、学生側の立場を十分に尊重して、慎重に議論を進めなければならない。
 指針廃止の背景には、自由な採用活動を繰り広げる外資系やIT系企業との競争にさらされた経団連会員企業の危機感がある。
 新ルールを検討するため、文部科学省や厚生労働省などによる連絡会議が近く発足し、経団連と、国公私立大の就職問題懇談会もオブザーバー参加する。
 新卒一括採用に基づいた現行指針にも欠点や課題はある。
 留学帰国生や教員試験受験者が不利になるといった面があり、改善の余地があることは確かだ。
 だからといって、就活日程が野放図に長引けば、大学は「就職予備校」になりかねない。
 しばしば学生と企業の間にミスマッチが生じるのは、成績や専門分野などを重視しない企業側の採用姿勢も一因ではないか。
 地方の学生の負担が過重にならない配慮も求められる。大手の動向に左右される中小企業が不利益を被らない仕組みも欠かせない。
 新ルールを巡る議論は、新卒一括採用などの雇用慣行の見直しにつながる可能性もある。
 気になるのは、この問題が、安倍晋三首相が議長で、成長戦略を話し合う政府の未来投資会議の議題になっていることだ。
 同様の会議が、労働規制を「岩盤」とみなし、成長戦略の一環として規制緩和を実施する突破口とされた手法と似通っている。
 成長戦略や生産性に結びつけ、終身雇用を含む雇用制度に強引に手を加えるのは筋違いだ。


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