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北海道新聞/2018/9/14 6:00
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/228157?rct=c_editorial

プーチン氏提案/ただちに拒否すべきだ/

 北方領土をロシアが不法占拠している歴史的事実を踏まえれば、まったく論外の提案である。
 ロシアのプーチン大統領がおととい、極東ウラジオストクでの経済会合で、安倍晋三首相に対し、日ロ平和条約を無条件で今年末までに締結するよう呼び掛けた。
 2日前の首脳会談では出なかった提案だ。あまりに唐突である。
 これは「北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結する」とした日本政府の基本方針に反する。領土問題の決着を前提とせず無条件としている以上、ただちに拒否すべきだ。
 プーチン氏は会合で、平和条約締結後に色丹島と歯舞群島を日本に引き渡すと明記した1956年の日ソ共同宣言について「日本側が履行を拒否した」と指摘した。
 日本はまず四島の帰属確認を求めている。それ以前の平和条約締結は到底認められない。
 そもそもプーチン氏は領土交渉に期限を設けることは「不可能」とし、領土問題を「引き分け」で解決する方針も表明していた。
 「年内の平和条約無条件締結」は、ロシア側の国益を一方的に主張するもので、いずれの発言とも矛盾する。
 プーチン氏は「今、思い付いた」として提案したが、日ロ間の交渉の積み重ねを軽視している。
 安倍政権の対応に、毅然(きぜん)とした姿勢が見られないことは看過できない。
 首相はきのう帰国後、与党幹部に対し、プーチン氏の提案について「(平和)条約締結への意欲の表れと捉えている」との認識を示した。
 これではロシア側に、日本が領土問題棚上げに理解を示したという誤ったメッセージを送ることになりかねない。
 はっきりと反論すべきである。
 首相は2016年5月、極東振興などの協力を通じて信頼醸成を図り平和条約締結につなげるという「新しいアプローチ」を掲げ、交渉に臨んできた。
 歴史的・法的事実に基づいて四島の帰属問題を解決するとした93年の東京宣言から事実上決別し、「経済先行」の交渉方針に転換したことを意味する。
 四島の帰属問題が棚上げされる恐れがかねて指摘されてきたが、それが現実味を帯びてきた。
 これ以上、元島民らを失望させてはならない。
 対ロ交渉はこれまでの経緯を踏まえた上で、土台から再構築することが急務だ。


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