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産經新聞/2018/2/13 6:00
http://www.sankei.com/column/news/180213/clm1802130002-n1.html

米国の新核戦略/日本国民の安全に資する

 北朝鮮やロシア、中国の核兵器の脅威は増している。人類の今の科学技術水準で、核の脅威は核でしか抑止できない。
 米国は自国と同盟国を守る責任感を持つ。だから、脅威を見据え核抑止力の整備へと動いた。
 トランプ政権が新しい核政策の指針として「核戦略体制の見直し」(NPR)を公表した。
 米国と同盟国の国民を守る上で不可欠の核抑止力を、米国が持ち続ける意思を再確認し、透明性を伴って具体策を説いた。世界の平和と安定に寄与するものだ。
 爆発力を抑えた小型核の導入や、海洋発射型の核巡航ミサイル(SLCM)の開発を進める。
 核の使用は米国や同盟国が「極限の状況」に陥った際に限る従来方針は踏襲した。核以外の手段であっても甚大な被害をもたらす「戦略的な攻撃」があれば核で反撃する選択肢を示した。平和のための抑止力とする狙いである。
 安倍晋三政権はNPRを「高く評価」した。日本の政府には、唯一の戦争被爆国として、核の惨禍や脅しから国民を守る義務がある。現実的かつ妥当な判断を示したといえよう。
 第二次大戦後、核抑止力が主要な国の安全保障の基盤となった。自ら核武装するか、核保有国との同盟、またはその組み合わせで核抑止力を手当てしてきた。日本も同様だ。防衛には核抑止力が必要と考え、米国が提供する核の傘(拡大抑止)に依存してきた。
 今回のNPRに対し、オバマ前政権が掲げた「核兵器なき世界」の理想に逆行し、軍拡を助長するとの批判がある。これは、表面的な見方に基づく反対であり、米国と日本など同盟国の安全をかえって損なう議論である。
 オバマ前政権が核抑止力の整備を怠った間に、ロシアは小型核や全廃するはずの中距離弾道ミサイルの開発に走った。米露と核軍縮の条約を結んでいない中国は核戦力を強化し、北東アジアの核バランスを有利にしようとした。
 北朝鮮の核開発も含め、「脅威環境が急激に悪化」したというのが現実である。中露と北朝鮮がNPRを批判するのは、米国とその同盟国を脅かす自分たちの核の威力を減じたくないからだ。
 NPRも説くように、「長期的な目標としての核兵器廃絶」の努力と、核の脅威からの「安全保障」の両立を図る視点がいる。


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