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読売新聞/2017/10/12 8:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20171011-OYT1T50117.html

社会保障/負担増と給付抑制こそ論じよ

 ◆サービス競争では不安を拭えぬ◆
 少子高齢化の急速な進展で、社会保障の持続性が危ぶまれている。厳しい現実に向き合い、国民の将来不安を払拭(ふっしょく)できる制度の具体像を示す。それこそが政治の責任である。
 各党の衆院選公約には、子育て世代への支援強化をはじめとする社会保障の充実策が並ぶ。多くは財源や実現プロセスが曖昧だ。負担増や給付抑制に踏み込む施策も乏しい。給付に偏った「サービス競争」の様相を呈している。
 ◆一体改革は維持したい
 人気取りの甘言は、国民に見透かされよう。各党は、説得力ある政策論争を展開すべきだ。
 現在の社会保障は、給付に見合う財源を確保しないまま、赤字国債という将来世代への負担のつけ回しで成り立っている。いずれ行き詰まることは必定だ。
 構造を改め、今の世代で給付と負担のバランスを取る。そのために消費税率を引き上げる。2012年の旧民主、自民、公明の3党合意に基づく「社会保障・税一体改革」の主眼である。
 少子化克服へ、子育て支援など現役世代向け給付を増やす。自民党が唱える「全世代型社会保障」への転換も打ち出していた。その方向性は間違っていない。
 2度の消費増税延期を経て、一体改革の枠組みは揺らいでいる。改革を反故(ほご)にして、借金頼みを続けてはならない。どう再構築するのか。各党の姿勢が問われる。
 今回、各党が共通して掲げるのが、一体改革に含まれていない幼児教育・保育の無償化だ。
 ◆待機児童解消が先決だ
 自民党は、全ての3~5歳児と低所得世帯の0~2歳児の保育所・幼稚園の無償化を訴える。消費増税分の使途を変更し、赤字国債の縮減に充てる予定だった分を転用する。公明党は、全ての0~5歳児を対象にするという。
 消費増税の凍結などを主張する野党も、無償化では一致する。
 いずれも、将来世代への負担のつけ回しにほかならない。
 保育所や幼稚園の利用料は、既に所得に応じて減免されている。全員の無償化は、高所得世帯ほど恩恵を受ける。厳しい財政事情を考えれば、バランスを失した負担軽減策だと言わざるを得ない。
 最優先すべきは、保育所に入れない待機児童の解消だ。統計に表れない「隠れ待機児童」も含めると9万人超にも上る現状では、無償化の意義も薄れる。無償化に財源を取られて対策が遅れれば、女性の活躍促進もおぼつかない。
 与党は、保育の受け皿を拡充する「子育て安心プラン」を前倒しして、20年度までに32万人分を整備する方針を示す。保育士確保のための処遇改善や保育の質向上も忘れてはならない。
 消費税率を10%に引き上げても、新たな施策には追加財源が必要となる。負担増について、国民の理解を得る努力が不可欠だ。
 希望の党は「待機児童ゼロ」を法的に義務付けると主張するが、具体像は描けていない。
 子育て支援以外の充実策も、財源面で実現性に疑問符が付く。
 公明党は、消費税10%時に予定する低年金者への給付金の前倒しを訴える。
 希望の党は、福祉サービスの自己負担合計に上限を設ける制度を掲げる。低所得者らへの現金支給も提案するが、10兆円単位の財源が必要だろう。一方、歳出を減らす努力としては、議員定数削減など「身を切る改革」程度にとどまる。
 ◆医療・介護の効率化を
 社会保障改革で最も重要なのは、医療・介護費の膨張の抑制である。団塊の世代が75歳以上となる25年には、費用が急増しかねない。18年度の診療・介護報酬の同時改定は、持続可能な制度に転換するラストチャンスだ。
 それにもかかわらず、各党とも言及が少ないのは物足りない。
 自民党は医療データを活用した病気予防・重度化防止などを挙げる。希望の党も遺伝子データ分析による予防に触れるが、いずれも給付抑制策としては不十分だ。
 病院や施設に過度に依存せずに済むよう在宅医療・介護を充実させ、切れ目なく提供できる体制を整える。軽度者向けサービスを見直し、重度者に重点的に振り向ける。国民のニーズの変化に応じて給付の対象や範囲を改める。
 これらは早急に取り組まねばならない課題である。
 経済力のある高齢者に応分の負担を求める改革も、さらに進めねばならない。年金制度においても、人生100年時代を見据えた真摯(しんし)な議論が求められる。


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