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日本経済新聞/2017/8/13 4:00
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO19939020S7A810C1EA1000/

人の力をいかす日本へ(2)

 生産年齢人口が減るなど逆風が強まるなか、社会の活力を保つためにはIT(情報技術)をはじめとした新技術を積極的に活用するという視点が欠かせない。
 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)、ロボットなどの普及を好機ととらえ、企業は人材を、より多くの付加価値を生める仕事に振り向けていくべきだ。

AIの普及は不可避
 三菱東京UFJ銀行の幹部は、「独自に試算したところ7年後には、銀行の本部業務の4割がAIに置き換えられることがわかった」という。
 これまでは経験を積んだ行員が担当していた住宅ローンの申込書類などの確認は、機械が目や脳として働いて代行する。こうした変化の影響は1万人近くの行員に及ぶという。
 AIなどの新技術が人の仕事を奪うといわれている。同様の議論はこれまでもあった。産業革命を迎えた英国では19世紀はじめ、自動化で仕事を失った繊維職人が機械を打ち壊した。1980年代に本格化したOA化でも、仕事が失われるとの声があがった。
 だがいずれの場合も、技術の進歩は止められなかった。歴史から学ぶべきは変化を避けるのではなく、すすんで受け入れることにより、生産性を高めたり新たな雇用を創出したりする方が得策だということだ。
 こうした取り組みは積極的なITの活用が前提になる。ただ世界各国がAIに代表される第4次産業革命の勝者をめざし、しのぎを削るなか、日本には不安がある。
 2017年版の情報通信白書によると、第4次産業革命に期待する企業の比率は米国や英国、ドイツで60~70%台に達した。だが日本は3割にとどまる。企業の経営者は世界の動きへの感度を高めるべきだ。
 必要なのは機械化できる仕事は機械に任せ、人は人が得意とする仕事を受け持つという新たな分業体制を築くことだ。人の力を生かせる分野としては、世の中の常識や本能にもとづく判断、ひらめき、緊密なコミュニケーションなどが挙げられる。
 たとえばAIは大量のデータを高速で処理し、一定の範囲の作業を間違えず繰り返すことに力を発揮するが、苦手な分野もある。半導体や通信といった技術は発展途上にあり、人の方が効率的にできる仕事もある。
 重要なのは、AIやロボットなどを活用できる領域が業界や職業によって異なることを押さえ、人と機械の役割分担を明確にすることだ。
 16年設立のディライテッド(東京・渋谷)は企業の受付業務をタブレットなどで代替するシステムを販売している。受付業務の経験がある橋本真里子最高経営責任者(CEO)は、「自動化で人は訪問者への案内やもてなしに力を入れることができる」と話す。
 サービス業は技術を生かす余地が大きい。三重県志摩市の高級旅館、汀渚(ていしょ)ばさら邸はITを使った「宿泊カルテ」を作成し、顧客の食事の好みや足を運んだ観光地といった情報を記録する。データを駆使して再訪客の献立を工夫するなど、満足度を高めている。

人と機械が役割分担
 自動車部品メーカーの旭鉄工(愛知県碧南市)は安価なセンサーを使った生産設備の監視システムを開発し、一定時間に作ることができる部品の量を増やした。2年間で社員の総労働時間を4%削減し、それで捻出した社員を活用して、企業向けの業務改善のコンサルティングを始める。
 相手企業の現場の観察や担当者との会話を通じて課題を探り、一緒に業務効率を高めるといった重要な仕事を人が担う。旭鉄工の木村哲也社長は「コンサルティングを担当する社員は実際に自社で問題解決にあたった経験があり、その知見が役立つ」という。
 人の仕事の付加価値を高めるためには、成長性が高い事業に社員を重点的に配置すると効果的だ。教育訓練に力を入れ、新たに求められるスキル(技能)を身につけさせることも重要になろう。
 社内での配置転換が難しい場合、人が企業の垣根を越えて移っていける仕組みも必要になる。柔軟な労働市場の整備を政府は急いでもらいたい。


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