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中國新聞/2017/6/19 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=350831&comment_sub_id=0&category_id=142

性犯罪厳罰化/社会の意識も変えよう

 性犯罪を厳罰化する改正刑法が国会で成立した。起訴に被害者の告訴が必要となる「親告罪」規定の削除や、親などの「監護者」による罪の新設が柱である。性犯罪に関する刑法の大改正は明治期の制定以来ほぼ110年ぶりで、性犯罪一掃へ確かな一歩には違いない。
 しかし被害者側が改正を強く望んだものの、先送りされた課題もある。付則には施行3年後の見直し規定が盛り込まれており今回がゴールではない。
 性犯罪は「魂の殺人」と呼ぶ被害者もいるほど、重大な人権侵害である。被害者が自尊心を取り戻せるよう、そしてその手助けができるよう、厳罰化と合わせて、私たちの社会の意識も変わらなければなるまい。
 法改正では、強姦(ごうかん)罪の名称を「強制性交等罪」に変更し、女性に限定されていた被害者に男性を含め、法定刑の下限も懲役3年から5年に引き上げた。男性の被害実態を社会が理解する転機になろう。被害者の心身に深刻な傷痕を残す性犯罪の罪が軽いのではないか、という指摘は根強くあり、法定刑の下限の引き上げもうなずけよう。
 親告罪の規定をなくしたのは画期的だ。従来は事件にするかどうかを被害者の判断に委ねていた。そのため加害者側から告訴取り下げを迫られるケースもある。今のままでは被害者の心理的負担が大きく、本来罪に問われるべき加害者が起訴されなければ、新たな被害者を生むことにもつながりかねない。
 ただ起訴を望まない被害者もいよう。今後も被害者の事情が配慮されなければならないということは言うまでもない。
 もう一つ、家庭内の性的虐待を念頭に、親などが立場を利用して18歳未満の者に性的行為をした場合適用する「監護者わいせつ罪」と「監護者性交等罪」が新設されたことも、評価できよう。「暴行や脅迫」がなくても起訴できるのが特徴だ。
 一つ屋根の下、子どもには声を上げることができない。自分に何が起きているかも分からず誰にも言えない。あらがえない人間関係の中で人知れず悩んできた被害者も少なくない。
 一方、同居していたり経済的に支えていたりする人を想定した「監護者」の範囲は狭すぎる、という指摘もある。教員やスポーツ教室のコーチなどは対象ではない。被害者側の意見を丁寧に聞き、3年後には見直しを検討すべきではないか。
 また、強制性交等罪には被害者が抵抗できないほどの「暴行や脅迫」が成立要件だ。だがこれも、恐怖で体が動かない、頭の中が真っ白になる、といった状況に追い込まれて抵抗できないケースはどうみるのか、という疑問があろう。懸案として指摘しておかねばなるまい。
 今国会では2週間遅く提出された「共謀罪」法を先に審議入りさせたため、改正刑法が衆院本会議で審議入りしたのは今月2日だった。このため審議時間は計12時間40分にとどまった。法案の重みを思えば、与党の対応に首をかしげたくなる。
 とはいえ、法改正が日本社会への強いメッセージになることは間違いない。法改正に合わせて、今後は相談窓口を充実させるなど、被害者支援を強化し、声を上げた被害者、声を上げようとする被害者をサポートしていかなければならない。


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