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日本経済新聞/2017/6/19 4:00
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO17818140Z10C17A6PE8000/

東芝の決算巡る迷走は見るに堪えない

 経営再建中の東芝は2017年3月期決算の有価証券報告書の提出を延期する。法定期限の6月末から2カ月~2カ月半の先延ばしを認めてもらえるよう、金融庁と協議するという。
 15年に会計不祥事が発覚して以来、東芝は決算発表の遅延をくり返してきた。このため同社株式は信頼に足る財務情報に基づいた投資の判断ができず、今では投機の対象になってしまった。日本を代表する名門企業の決算を巡る迷走は見るに堪えない。
 まずは東芝が監査を担当するPwCあらた監査法人と十分に話し合い、前期決算の適正意見を早く得られるよう努めなければならない。できることなら期限に間に合ったほうがよい。
 有価証券報告書の提出延期がやむを得ないとしても、厳に今回限りとすべきだ。いたずらに延期がくり返されるようでは、東芝だけでなく日本の株式市場の信頼性にも傷がつきかねない。
 前期決算を巡って東芝とあらたの関係は一時、決裂しかかった。米国原発事業子会社だったウエスチングハウス(WH)の監査について見解が一致しなかったため、あらたは東芝の16年4~12月期決算の適切性について「意見不表明」の方針をとった。
 東芝はこれを不服とし、前期監査を他の監査法人に変更することを検討したが、時間の制約もあり断念した。これだけでも、資産運用会社や個人など一般投資家が、東芝株への信頼を失うのに十分なお粗末さだ。
 東京証券取引所は現在、内部管理の不備などを理由に東芝を特設注意市場銘柄に指定している。事態が改善しなければ東芝株は上場廃止の可能性が強まる。
 東証を傘下に持つ日本取引所グループの清田瞭グループ最高経営責任者は16日の記者会見で「東芝が監査法人と意思疎通をはかり問題を解決できるか、成り行きを見守りたい」と語った。
 しかし東証は静観を決め込むのではなく、延長期限内に監査が予定通りに進んでいるかどうか目配りを怠るべきではない。監査の結果はどうあれ、さらなる遅延は混乱をまねく。
 東芝問題をきっかけに、東証は大企業の不祥事に対して厳しさを欠くと見る市場関係者が増えているようだ。問われているのは一企業の決算ではなく、日本の株式市場の公正さだ。


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